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日本の過去清算要求、ソウル大会での出会い

積もり積もった恨をときほぐすかのように歌い踊る強制連行被害者

 5月20〜24日に開かれた「日本の過去清算を要求する国際連帯協議会第2回会議ソウル大会」。20日に行われた歓迎晩餐会の中程の席で、再会を喜び語り合う「韓国シベリア朔風会」李炳柱会長と「カマキリの会」池田幸一さんの姿があった。

 池田氏は、1945年8月1日、中国の奉天で徴兵され、長春の陸軍へ入隊する。直後に敗戦を迎え、ソ連軍の捕虜として中央アジアに連行された。

 一方、李会長は45年8月9日に平壌で徴兵され、満州で入隊し、軍服に着替える最中にソ連軍に連行され、シベリアで3年半の強制労働。帰郷後、家族が移り住んでいた慶尚北道に向かう。91年ロシアとの「国交」樹立を期にシベリア抑留者の会を結成する。「徴兵された同胞が北には800人、南には500人いたというが、現在会員は27人しかいない」(李会長)。

 李会長らは昨年6月、日本政府に真の謝罪と補償を求めて訴訟を起こした。その時協力してくれたのが池田さんたちだった。

 池田さんは、「戦争を起こした日本人である私たちが徴兵され、罪を償うのはあたりまえだが、韓国人である李さんらが半世紀もたった今になっても謝罪も補償も受けられないことがとても辛い」と話す。

 日本政府が徴兵による被害実態を明らかにするのもさることながら、強制連行調査の過程で徴兵に関する調査が後回しにされてきたのも事実。朝鮮人が朝鮮人に銃口を向けたという本人たちの後ろめたさとともに、私たちの偏見も調査を遅らせた要因ではないか。朝鮮人であることを卑下し、日本人として生きることが尊いと教えられていたことの恐ろしさをまず見据え、李会長らの活動を支援すべきではないかと思った。(金順愛、朝鮮人強制連行真相調査団愛知県本部)

[朝鮮新報 2004.6.15]