来年を統一の元年に、高まる機運、行事、対話目白押し |
6.15共同宣言発表4周年記念わが民族大会で仁川市は統一の熱気に包まれた。4度目の6.15記念日を迎えながら北南関係も大きく前進し、祖国統一の機運はいつになく高潮。今後も様々な北南行事が予定され、来年にはいよいよ北南鉄道、道路が連結されるなど、統一への期待はさらに高まっている。 盛り上がった6.15行事
南の仁川市で行われた6.15共同宣言発表4周年記念わが民族大会で南の市民らは北と海外の代表らを温かく迎え、民族がひとつになった姿をアピールした。また大会では、民族大団結宣言が発表され、共同宣言発表5周年、祖国光復60年、民族分断60周年になる来年を「祖国統一の元年」にしようと呼びかけた。 ちょうど同じ時期にソウルのグランドヒルトンホテルでは、南の金大中図書館の主催で6.15共同宣言発表4周年記念国際討論会が開催された。金正日総書記が送った李種革朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長など北の代表らが参加した討論会には、現職と前大統領、そして各政党代表も顔を揃え大きな注目を浴びた。開幕に先立ち、盧武鉉大統領と金大中前大統領は李副委員長と会って談話も交わした。 一方、平壌でも6.15共同宣言発表4周年を記念し、北南共同写真展「花から見たわが国」や祖国統一祈願全国仏教徒法会などが行われた。 一連の記念行事で強調されたのは、民族の団結だ。わが民族大会で発表された宣言は、民族自主の原則に基づき、理念と体制の違いを超越して、平和を実現する道で常に団結することを宣言した。また、「われわれは民族共助によって平和と統一の新しい地平を開いていく」と強調した。 北は一歩踏み込んで、「民族共助は愛国、統一であり、外部勢力との『共助』は売国、分裂である。民族共助に米軍撤退も、6.15北南共同宣言の成功裏の履行もある」(労働新聞15日付社説)と指摘しながら、南朝鮮当局に対して「統一問題の解決において外部勢力の顔色をうかがわず、自主的定見を立てるべきである」(同上)と要求した。 北は、6.15共同宣言発表から4年の間に、「祖国統一に対するわが民族の志向と意志はいつにも増して高ま」り、「全同胞の自主統一熱意によって祖国統一偉業は名実共に全民族的偉業、民族自主偉業となって自主の軌道に従って確固と前進できるようになった」(同上)という認識を示している。統一のため、その妨害者を力を合わせ排除しようというのだ。 大きく変わった環境
6.15共同宣言発表から4年、協力の分野で北南関係は大きく前進し、軍事の分野にまで及んだ。 6.15共同宣言発表後初の北南将官級軍事会談(5月下旬から2回)では、朝鮮西海での衝突防止と軍事境界線での宣伝活動中止に合意。実務会談を経て、6月15日からは双方が軍事境界線での宣伝活動を中止し、拡声器などを取り払う作業が進められている。また、西海上での偶発的衝突を避けるための無線試験交信を行った。 また、北南経済協力推進委員会第9回会議(2〜5日、平壌)では、10月頃に列車のモデル運行を行い、来年には北南鉄道、道路を連結させるなど、一連の合意を見た。 北は、国際環境整備のためにも積極的に動いている。金正日総書記は4月中旬の朝中首脳会談に続き、5月には2回目となる朝・日首脳会談を行った。朝鮮半島の核問題解決のための6者会談にも忍耐力と伸縮性を引き続き発揮して積極的に臨んでいる。 一方、南では4月の総選挙で与党・開かれたウリ党が勝利。当選した与党議員ばかりでなく、野党・ハンナラ党議員の90%が「国家保安法」の改正が必要との立場表明するなど、南社会全体が変わりつつある。さらに、龍川爆発事故で支援運動が広がり和解、団結の雰囲気が高掲している。 こういう状況の中、わが民族大会で発表された「来年を統一の元年に」というスローガンは、理想ではなく現実性を帯びたスローガンと言える。 今後も北南間では、8.15民族大会、北南閣僚級会談をはじめ様々な行事と会談、接触が予定されており、統一の機運はさらに高まるだろう。(姜イルク記者) [朝鮮新報 2004.6.19] |