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〈第3回6者会談〉 肯定的な進展

 朝鮮外務省スポークスマンは、23日から26日まで北京で朝米間の核問題解決に向けた第3回6者会談が行われたことで28日、全文次のような談話を発表した。

朝鮮側、伸縮性ある提案打ち出す

米国は今回初めて「前向きの提案」というものを打ち出したが、朝鮮側はあくまでも敵視政策撤回の公約を求めた [写真=聯合ニュース]

 今回の会談では、これまでの会談とは違って各側がいろいろな提案と方途を打ち出し、真しな雰囲気のなかで討議し、会談に進展をもたらすことのできる一部の共通的な要素も見られた。

 今回、米国側は、われわれの「凍結対補償」提案に留意しながら慎重に検討すると言った。

 われわれが打ち出した「言葉対言葉」「行動対行動」の原則に基づいた同時行動措置を取ることと「凍結対補償」問題を基本にして討議するということで合意したのは、今回の会談が成し遂げたひとつの肯定的な進展となる。

 しかし、朝米間に依然として大きな意見相違が残っていることにより、会談では現在のこう着状態を打開する決定的な突破口がもたらされなかった。

 重要なのは、朝米間の不信と誤解がなかなか解消されないことにより、問題の解決に向けた当事者間の実質的な交渉を開始できずにいることである。

 われわれは今回、朝鮮半島と北東アジア、ひいては世界の平和と安全に寄与しようとする真しな念願から発して、朝米間の核問題を解決するうえでの現在のこう着状態を打開し、実質的な結実を成し遂げるため再度、大きな政治的決断を求める度量が大きく伸縮性のある提案を打ち出した。

 わが代表団は今回の会談で、米国がCVID(完全で検証可能かつ後戻りできない核放棄)要求を撤回するのを前提にして核凍結に対する具体的な内容を明らかにし、これには核兵器関連すべての施設とその運営による結果物を凍結するとともに核兵器をこれ以上造ったり、移転したり、実験したりせず、凍結は終局的な核兵器計画の廃棄へとつながるスタートであることが含まれるということを明示した。

 これとともにわれわれは、核凍結には必ず補償が伴うべきであり、凍結の期間は徹頭徹尾、補償いかんによって決定されるという立場を明らかにした。

 われわれが求めた補償には、米国がわれわれに対する制裁と封鎖の解除を公約するだけでなく、重油、電力の提供などで総じて200万キロワット能力のエネルギーを支援するという問題が含まれている。

 同時行動の原則に基づく一括妥結方式の第1段階の行動措置となるわれわれの「凍結対補償」の提案は、朝米間にいかなる信頼も存在していない現実的状況から発したものとして、核問題を段階的に解決できるようにする唯一の方途となる。

 それゆえ、米国を除くすべての会談参加国は今回の会談で打ち出したわれわれの伸縮性のある提案を積極的に支持、共感しながら凍結に伴う補償に参加する立場を明らかにした。

「3カ月準備期間」は非科学的で非現実的

 わが代表団は今回の会談期間、米国側とほとんど2時間半対座して真しな会談を行った。

<朝米の提案>

【朝鮮】

 ・核凍結には、核兵器をこれ以上造ったり、移転したり、実験したりしないことを含む

 ・査察対象は、寧辺の核施設と8000余本の使用済み燃料棒の再処理で生産されたプルトニウム

 ・凍結の時点は代価が支払われるときで、検証方法は6者の枠内で論議

【米国】

 ・朝鮮が3カ月の準備期間をおいて核凍結を実施

 ・凍結の相応の措置として、南、中、ロ、日が重油提供

 ・米国は暫定的な安全保障提供、「テロ支援国家」および経済制裁解除のための協議開始

 米国側は今回、核凍結に伴う補償について認め、彼ら自身が命名した「前向きの提案」というものを打ち出した。

 米国が会談開始9カ月目にそのような提案を打ち出したこと自体は留意すべきことである。

 また、米国が今回、CVID表現を持ち出せず、われわれの要求通り「言葉対言葉」「行動対行動」の原則を受け入れたのは幸いなことである。

 しかし、米国の「提案」を解剖してみると、残念ながらそれはわれわれを武装解除するための自国の要求事項だけを段階的に列挙したもので、われわれの一方的な核廃棄が完了した後になってこそ、自国がなすべきことを論議して見るという程度に止まっている。

 とくに、この「提案」で米国が核廃棄の「3カ月準備期間」というものを持ち出したのはきわめて非科学的で非現実的な強弁であって、どの参加者からも支持を得られなかった。

 あえて期間について言うなら、それは補償の要求をいかに充足させるかによって左右される。

 会談の各参加者が米国の「前向きの提案」というものが複雑かつ不明白で、「言葉対言葉」「行動対行動」の原則に伴う米国の義務事項がないため、不公正だと評したのは決して理由なきことではない。

 このように、同時行動の原則が欠如し、「先核放棄」に基づく米国の「提案」は会談の各参加国を納得させられず、問題解決の方途としても見なされなかった。

脅威に対処しながら今後の態度注視する

 米国代表団が会談で公約したとおり米国が今後、われわれの「凍結対補償」案を慎重に研究し、ウラン濃縮だの、なんだのという事実無根の主張を撤回し、「言葉対言葉」「行動対行動」の原則にしたがってわれわれに対する敵視政策の撤回を公約し、凍結に伴う補償措置を直接取っていくなら、それは核問題の解決や米国の利益のいずれにも合致することになるであろう。

 われわれは、外部の侵略脅威に対処した自衛力を打ち固める活動を計画通り推し進めながら米国の今後の態度を注視するであろう。(朝鮮通信、中見出しは編集部)

[朝鮮新報 2004.6.29]