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2回目の北南農民統一大会、統一農業はわれらの願い

 【高城発=文・李相英、写真・文光善記者】6月27日、金剛山で行われたわが民族同士で統一の活路を切り開く北南農民統一大会。2001年7月に続き、今回が2度目の大会には、北側から朝鮮農業勤労者同盟(農勤盟)の代表団約400人、南側から全国農民連帯の代表団約600人が参加した。短い日程ではあったが、参加者たちは互いの農業の発展を誓い合い、統一運動において農民も先導者の役割を果たしていくことを確認した。

「統一の凱旋将軍になった気分」

6月27日、金剛山で開かれた北南農民統一大会

 大会では、午前の開幕行事や演説に続き、午後からスポーツ大会、伝統民俗遊戯のデモンストレーション、北南のアーティストによる歌と踊りのコンサートなどの行事が催された。

 一番の盛り上がりを見せた統一民俗競技。「民族自主」「民族共助」チームに分かれ、シルム、綱引き、統一バトンリレーなどの種目に汗を流し、互いのきずなを深め合った。

 優勝チームに贈られる黄牛をめぐって8人ずつの団体戦で行われたシルム競技では、見事「民族共助」チームが優勝を飾った。

「統一列車は走る」の曲に合わせ肩をとり会場を走り回る参加者ら

 豪快な技でチームを勝利に導いた慶尚南道から来たリ・ホンフィさん(64)は、贈られた牛にまたがり場内を一周し、参加者の拍手喝采を浴びた。「こうして場内を一周してみると、統一の凱旋将軍になったような気分だ。一日も早く民族の統一を成し遂げ、今日のような楽しい時間を過ごせればどんなにいいだろうか」と、真っ黒に日焼けした顔をほころばせた。

 歌と踊りのコンサート。終盤、場が盛り上がってくると、客席の前方には踊りの輪ができ、その輪は1つまたひとつと増えていった。「統一列車は走る」の曲に合わせ、参加者たちは互いの肩をつかみ「統一列車」を作り会場をまわるなど、北南行事では恒例となった光景が農民大会でも繰り広げられた。

 「同じ農民同士、親近感がわくのは当然」と語るのは、信川郡石塘里農場で働くリ・ムンホさん(31)。「こうして南の人たちと一緒に踊りながら、やはり私たちは離れては暮らせない1つの民族なのだということを切実に感じた」。

生存権を守るためにも連帯

 WTO(世界貿易機関)によるコメ市場開放要求に反対する農民たちの運動が南全土で高まりを見せるなか、今回の農民大会の会場にも「統一農業実現!」「食糧主権守護!」などのプラカードが立てられ、参加者たちは新自由主義の流れに抗するためにも統一を成し遂げ、農業を統一的に発展させていくことの必要性を口々に訴えていた。

伝統民族遊戯のデモンストレーションに大きな拍手が送られた

 閉幕に先立ち採択された共同宣言文では、民族農業を発展させ南の食糧主権を守っていくことが謳われた。新自由主義の荒波が南朝鮮の農業を席捲するなか、南の農業関係者たちにとっては自らの生存権を守るためにも農民同士の連帯を深め統一運動を推し進めていくことが切実な要求となっていることがうかがえた。

 忠清南道から来たパク・ソンマンさん(62)は、「われわれ農民の生きる道は、統一にこそある」と、熱っぽく語った。

 「農業は天下の大本。偏った農業を通じて分断の痛みを誰よりもよく知るのが農民であり、統一を誰よりも熱望するのも農民なのだ」。黄海北道のチョン・ミョンシム農勤盟委員長はこう語り、北と南の農民が統一運動のさらなる発展において中心的役割を果たしていくことを訴えた。

[朝鮮新報 2004.7.8]