top_rogo.gif (16396 bytes)

大安親善ガラス工場着工、朝中の経済協力新段階へ

 【平壌発=李相英記者】既報のように1日、中国政府が無償提供した大安親善ガラス工場(平安南道大安郡)の着工式が現地で行われた。朝鮮労働党創建60周年にあたる来年10月10日の竣工を目標に建設が進められる。工場は「朝中親善の最高の象徴の一つ」として、経済協力関係の新たな発展を示している。

初めての大規模なプロジェクト

盛大に行われた着工式

 中国政府によるガラス工場の無償提供は昨年10月、呉邦国全国人民代表大会(全人代)常務委員会委員長を団長とする中国国家代表団が訪朝した際に朝鮮側に伝えられた。

 着工式で朝鮮側は、金正日総書記と胡錦濤主席との間で4月に行われた会談で確認された朝中親善関係の発展方向に沿って、外交関係締結55周年を迎える今年、ガラス工場の建設を機に両国の交流、協力に拍車をかける意思を表明した。

 中国の関係者らも、中国の指導部がガラス工場の提供を中朝親善関係の発展を示す実例として、とりわけ今後朝鮮との経済協力を多岐にわたって行っていく重要な契機にするという立場を再三表明した。

着工式でくわ入れをする朝中の代表ら

 新たに建設されるガラス工場は、胡錦濤主席を中心とする中国の新指導集団発足後、初めてとなる大規模な経済協力プロジェクトとなる。中国商務部の陳健部長助理は、大安親善ガラス工場が両国指導者の「大きな関心」の中、「中国政府が手始めとして朝鮮に提供する大規模工場」であり、朝鮮との関係を多方面にわたって発展させることは中国政府の「確固たる意志」であると述べた。

 朝中経済協力関係の発展においてガラス工場の建設が持つ重要性は、工場の規模と建設推進過程に如実に現れている。

 昨年11月10日、ガラス工場提供に関する朝中間の協定が締結された後、両国の該当機関の間では工場の建設と関連し実務考察団が幾度も往来し協議を重ねてきた。

 工場の建設全般を担当する中国耀華ガラス集団公司は、80余年の歴史を持つ中国でもトップクラスの総合ガラス生産基地。国内外に30余の家子公司(支社、支店、傘下の工場)を有しており、世界60余の国と地域に製品を輸出している。インドネシアをはじめとするアジア諸国への技術提供や輸出も活発だ。

 朝鮮の関係者によると、中国側はガラス工場建設のために約2400万ドルを投資したという。大安親善ガラス工場の敷地面積は29万3000平方メートルで、最新の設備を備えており1日の生産能力は300トン。年間640万トンの生産を目標にしている。

 また、「工場の建設に限らず、建設にともなうガラス製造と工場運営に関する専門知識、情報分野での協力も並行するだろう」(貿易相関係者)との期待も寄せられている。

合併で屋根ぶき材工場も操業

 4月19〜21日にかけて行われた中国非公式訪問の際、金正日総書記と胡錦濤主席との会談の席では、両国の経済貿易での協調をより一層強化する問題が話し合われ、見解の一致を見たという。

 両国の最高指導者の親善関係発展に対する確固とした意志に沿って、外交関係締結55周年を迎える今年は、両国間で政治、経済、文化など、さまざまな分野での協力を発展させるための措置が取られることが予想される。

 ガラス工場の着工に先立つ5月31日には、朝鮮の英超建材品合弁会社と中国の長春英超科学貿易有限公司の合弁によって建設された屋根ぶき材工場が操業を始めた。また、6月29日から朝鮮を訪問した中国政府経済貿易代表団と朝鮮政府経済貿易代表団の間で30日会談が行われ、双方がサインした経済協力と関連した文件が取り交わされた。

[朝鮮新報 2004.7.8]