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「第10回離散家族、親せきの再会」 統一の日に再会しよう

 【高城発=李相英記者】第10回離散家族、親せきの再会が11〜16日にかけて金剛山で行われ、11〜13日には北の100人と南の472人が、14〜16日には北の約200人と南の149人がそれぞれ再会を果たし、半世紀ぶりに肉親の情を交わした。6.15共同宣言の合意事項に沿って2000年8月以来、今回で10回目となる離散家族、親せきの再会は、北南が人道分野で着実に歩を進めていることを実感させた。

民族の悲劇に終止符を

半世紀ぶりに再会し肉親の情を交わす北南の家族たち

 平安北道定州市の教員再教育講習所の教員であるチョン・ジョンギュンさん(75)は、妹のホジンさん(72)、スンジャさん(69)と54年ぶりに再会を果たした。

 「こんなにうれしい日にどうして泣くんだ。泣くのは少しだけにして、たくさん笑いながら話をしよう」

 ジョンギュンさんは、再び会えたことの喜びにむせび泣く妹たちを前にこう言った。

 ホジンさんは、「兄は学生の頃、頭がいいことで学校でも有名な秀才だった。そんな兄が北で博士号までもらったのは、家族の自慢になる」とうれしそうに語った。

 ホジンさんは、ジョンギュンさんに「兄さんがもらった勲章、私にも一回かけさせて」と言いながら、ジョンギュンさんの勲章をかけてみんなで記念写真を撮った。

 彼らは、幼い頃の思い出から別れた後の暮らしについて、時間が経つのも忘れて話していた。

11〜16日まで金剛山で行われた離散家族、親せきの再会

 咸鏡南道興南市で暮らすリム・ドンシクさん(74)は、弟のビョンシクさん(70)、ビョンウさん(67)、ビョンチョルさん(60)と半世紀ぶりに再会し、その間募りに募った肉親の情を交わした。

 ドンシクさんは、故郷の江原道江陵で、兄弟そろって海に出ては魚を獲った話、50年9月に学校に行くと言いながら家族と別れ、義勇軍に入った話などをする間、半世紀も離れ離れで暮らしてきた悲しさを少しでも和らげるかのようにビョンチョルさんの手をしっかりと握りしめていた。

 「私が義勇軍に入る時、母が停留所まで一緒に来て見送ってくれたことが昨日のことのようにしっかりと記憶に残っている。父母の墓参りすらできなかったことこそ、分断の苦痛であり民族の悲劇。この悲劇の幕を閉じるには統一を一日も早く成し遂げること」とドンシクさんはかみ締めるように言った。

 ビョンウさんは、「生死すらわからなかった兄さんとこうして会えるとは…。ただただ『うれしい』の一言に尽きる。これもひとえに6.15共同宣言のおかげ」と涙ながらに語った。

中断できぬ民族的課題

 北の関係者たちは、今回南の当局が金日成主席の10周忌に際した民間級追悼代表団の訪北を阻んだことを強く非難しながらも、民族分断の象徴である離散家族、親せきの再会問題は北南共同の課題であり、滞りなく進めていかなければならないと強調した。

 北南の家族、親せきらが再会し話したのはおよそ10時間。半世紀を越える離別の悲しみをぬぐうにはあまりにも短い。

 別れる時間になり北の家族らがバスに乗り込むと、南の家族たちは涙で頬を濡らしながら窓越しにつないだ手を離そうとしなかった。

 「統一を実現しよう! 統一した後また会おう」

 北のパク・ウンソンさん(74)の呼びかけに、南の家族、親せきらは涙声でこれに応えた。

 北南の家族、親せきは再び会う日を思い描きながら、いつまでも手を振っていた。

[朝鮮新報 2004.7.23]