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女性が友好の架け橋に

 私の住む福岡県で昨年6月、県内の朝鮮人学校の校長や保護者、生徒たち8人が福岡県弁護士会に「日本人学校と同等の地位、待遇を保障するよう県に対し勧告を求める」人権救済申し立てを行った。

 拉致問題で朝鮮学校の生徒に対する暴力事件や嫌がらせが起きていた時期だったので、このような時こそ在日の人たちの友人として、子どもたちの教育を守るために行動を起こそうと、学者、文化人、宗教家、教師などが呼びかけ人となり「福岡県朝鮮学校を支援する会」を立ち上げた。

 そして、@教育助成金を私立学校並みに、A朝鮮学校への寄付金の税制上の優遇措置を、B校舎改築の補助金を、C弁護士等の各種受験資格を日本の生徒と同等に、などを柱として、関係機関に働きかけた。

 昨年末、支援する会のメンバーで市内の朝鮮初中級学校を訪ね、授業を見せてもらった。子どもたちの表情は明るく、のびのびしていた。とりわけ、日本の古典の授業で、子どもたちが楽しく学んでいるのには驚いた。体育館では中学生が見事な民族舞踊と歌を披露してくれ感動した。

 子どもたちのいきいきした様子とは裏腹に、校舎の傷みはひどく財政的な窮状がひしひしと伝わってきた。

 また教職員との懇談会では、教師全員が同校の卒業生であること、苦しい財政事情のため給料の遅配が続き、校長にいたっては1年以上も無給だが、歯を食いしばって頑張っているということを聞き、改めて私たちのささやかな運動をもっと大きな輪にして、県や国に働きかけていかなければと思った。

 このたびの訪朝の間、朝鮮の女性たちと心を開いて話し合ううちに、互いの平和に対する熱い思いを確かめ合うことができた。過去の忌まわしい歴史を二度と繰り返さないために、日朝両国の若者たちが戦争に巻き込まれることのない平和なアジアを作るために、私たち女性が友好の架け橋になろうという思いを強くした。(牧野苓子、福岡県朝鮮学校を支援する会)

[朝鮮新報 2004.9.8]