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安心して暮らせる世界を

 第2次世界大戦から59年、日本にはまだ多くの「被爆者」が生活や健康の補償を受けているが決して十分とは言えず、それに加えて今なお「ヒバクシャ」としての認定を受けられないままの人も多くいる。

 59年前、広島と長崎に落とされたたった2発の原爆は、単なる戦争終結への最後通牒ではなく、人類史上初めての放射能兵器の人体実験そのものだった。

 一方、朝鮮に帰った被爆者に対する補償が進んでいないことに深く責任を感じている。

 被爆国日本、被爆県長崎の一員としてなすべきことは、「再びヒバクシャを作ってはならない」ということを世界の人々に訴えていくことだと思う。

 かつて日本は、アジア諸国をじゅうりんし多大な損害と犠牲を強いた。それが誤りであったことは、日本が原爆を受けてその被害の大きさによって身にしみてわかった。

 戦後教育の中で日本は、「平和の大切さ」を子どもたちに伝えてきた。また、「日本国憲法」として世界に「不戦、平和」を誓った。

 しかし、自分の領域を守るために再び核の脅威を利用する国が増えつつあることに大きな危惧を感じる。特に、朝鮮に対し「核先制攻撃も辞さない」というブッシュ政権の圧力と威嚇に対しては、憤りをもって強く抗議している。

 世界にはすでに3万発の核爆弾があるという。これだけでも十分に地球を何度も全滅させることができるのに、米国は新たに「小型核兵器」の開発を進めている。

 戦争で真っ先に犠牲になるのはいつも幼い子どもや女性、老人だ。どこに住んでいても安心して子どもを生み、育てられる日が一日も早く実現するよう、手をつないでいくことを約束する。(楠本礼子、長崎県退女協)

[朝鮮新報 2004.9.8]