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ベノス朝鮮平和統一国際行進隊隊長に聞く、7月下旬に平壌−開城を行進

 平壌―開城間で7月下旬に行われた朝鮮の平和と統一のための国際行進。行進隊は、00年に創立された朝鮮との親善協会(Korean Friends hip Association/KFA)のメンバーで構成されている。スペインに本部を置くKFAには現在、72カ国約3500人の会員が所属している。行進隊の隊長であるアレハンドロ・カオ・デ・ベノスKFA委員長に、国際的に展開されている朝鮮統一支持運動について聞いた。

多数を占める17〜34歳

―行進の目的は。

ベノス行進隊隊長

 昨年7月に平壌を訪問し、市民と共に戦勝節(7月27日)記念行事に参加した。その時、市民の反米意識や統一志向を肌で感じながら、朝鮮との連帯運動をより拡大させるためには新たな着想が必要だと考えるようになった。

 そして各国のKFAメンバーと連絡を取りながら、行動計画を作成した。現在、世界には朝鮮人民の統一事業を支持し連帯を表明する人が少なくない。私たちはそういう人たちの運動を一つにまとめるため、朝鮮の人たちと共に今回の国際行進を行った。

 行進に参加した人たちの国籍はさまざまだが、平壌と開城で市民と一緒に「朝鮮は一つだ」のスローガンを叫びながら、心を一つにしていった。

 行進を通じて、朝鮮の人々が国の平和と統一のためのたたかいにおいて、孤独ではないということを示すことができたと思う。また行進隊のメンバーも、この間の体験を通じて朝鮮の人々の生活と感情をより深く理解するようになったと思う。

―行進隊には若い人が多いが。

 現在、朝鮮に対しては共有できる情報が少ない。KFAを結成した目的は、国際的な範囲で朝鮮政府の政策と社会や文化の現状を広く宣伝することにより、朝鮮の本当の姿を知る機会を提供しようという点にある。

 KFAでは、米国のCNNテレビや英国のBBC放送などのマスメディアが朝鮮に関するわい曲した情報を流していることに対し、インターネットを通じて反論する一方、朝鮮問題に関する正確な事実資料の普及もしている。情報戦を積極的に行った結果が、4年間で3500人という会員を網羅した組織になったということであり、最近では毎日平均8人ずつ加入者が増えている。

 17〜34歳までの若い層が多いことからも、世界の若年層が朝鮮問題に高い関心を持っているということがわかる。

世論戦を広範に展開

―板門店で採択した決議文では、米国の対朝鮮政策転換のための国際的カンパニアの必要性を強調したが。

平壌市内を行進する行進隊

 朝鮮の統一にとって、基本的な障害となっているのは米国である。米国はこれまで事実をわい曲あるいはねつ造しながら、朝鮮のイメージをおとしめており、強大な軍事力と経済力を使って朝鮮をちっ息させようとしている。

 南の人と会う機会も多いが、南の若い人たちも分断の元凶が誰であり、誰が統一を妨げているのかを知っている。彼らは米国が民族内部の問題に干渉していることに抗議の意を表している。

 北と南の人々は長い間違う制度のもとで暮らしてきたが、同じ血脈で結ばれた一つの民族だ。米国はこの厳然たる事実を無視し、時代錯誤的な政策に固執している。

 今年国際大行進を開催したのを機に、来年は国際会議やインターネット討論会なども開催し、米国に対する国際的な圧力を加えるための世論戦を広範囲で展開する予定だ。

―米国の対朝鮮敵視政策の転換は、6者会談でも主要争点として浮上しているが。

 ヨーロッパの人々は、「凍結対補償」案に沿って米国が政策転換の一歩を踏み出さなければならないと、多くの場合、朝鮮の立場を支持している。スペインの外務省関係者をはじめ、各国人士と意見交換したが、「凍結対補償」案が合理的かつ核問題を平和裏に解決するための唯一の方途であるということで意見の一致をみた。

 核問題に関する個人的な見解は、6者会談より朝米会談が先行されるべきだということ。朝米が直接話し合ってこそ核問題は解決できる。

 米国は対朝鮮敵視政策を放棄し、一日も早く朝鮮と平和協定を締結しなければならない。米国がこれを拒否することは、戦争を望んでいるという下心をみずからさらけ出すことになるだけだ。

―米国は、現在も「完全に検証可能な後戻りできない核廃棄(CVID)」主張に固執している。

 ブッシュ政権は信用できない。世界の面前でみずからの信用を落とすような行動を繰り返してきた。

 ブッシュ政権がCVIDを主張しながら、朝鮮が「リビア式先核放棄」を決意すれば恩恵にあずかれると言っているのはき弁だ。

 もし朝鮮が核計画を放棄し抑止力を弱めれば、米国はどんな理由を付けてでもイラクのように攻撃しようとするだろう。

 こうした現在の状況から、朝鮮が核抑止力強化路線をとっているのは正しい。ブッシュ政権の行動は過去4年間、それこそ「狂気の沙汰」だった。唯一超大国の「狂気の沙汰」は国連も止められなかったし、数千、数万のデモ隊も止められなかった。イラク戦争のようなことが朝鮮半島で再現されてはならない。

―外国人であるKFAのメンバーがなぜ朝鮮問題に関心を持ち、積極的な行動を起こしているのか。

 朝鮮の平和と統一は、世界の安定と国際正義の実現につながっている課題である。

一般的に、外国の人間が朝鮮との連帯運動に参加することは簡単ではない。人々がよく耳にしたり目にする情報は、「朝鮮は危険で悪い国」というもので、このような謀略宣伝に1人で立ち向かうのは難しい。

 しかし、その情報がねつ造されたものだと知った時、人々は怒りを覚える。

 イラクに対する攻撃が偽りの情報によって行われたという事実が明かされた時、世界各国から米国非難が沸き起こった。こうしたことから少なくない人がKFAの趣旨に賛同を示し、朝鮮と連帯するためのアクションを起こしている。

 今回の行進隊のメンバーには大学生もいるが、資金は自分で出して参加した。

 彼らは心から朝鮮をより深く理解しようとしているし、実質的な連帯運動を行おうと努力している。

 今後、彼らのような若い世代が増えることを期待している。(まとめ=金志永記者)

[朝鮮新報 2004.8.6]