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「共に地域社会の担い手に」

大阪府議 長田公子さん

 昨年12月に行われた大阪同胞ミュージカル「ミレ」を観覧した。

 「本当に感動しました。在日朝鮮人のみなさんが自らの力で学校を建て、それを守るための歩みを知り、心を揺さぶられました」

 目にうっすら涙を浮かべながら、公演の感想を語った。「あの厳しい時代に、お国から日本に渡ってきて、ひとかたならぬご苦労を重ねながら、そのつらかったことをぐっと胸に秘めて、戦後は子どもたちのために学校建設に一丸となって立ち上がった人たち。舞台はそのことをコミカルに表現していて、いっそう深いところでズシリと来るものがありました」。

 府議会では女性委員会委員長として多忙な日々を送るが、家に戻れば「普通の主婦」。近所の冠婚葬祭にも顔を出し、在日同胞とも普段着のつきあいを重ねてきた。「近所のハルモニが亡くなって、葬式に出た時に、同胞のみなさんが心から別れを惜しまれる様子の中に、民族の風習を一つ一つ大切に守って来られたことを実感しました」。

 在日同胞社会の結束の固さを羨むとともに、長田さんが顔を曇らすのは、地域社会や学級崩壊が進みつつある日本の子どもたちの教育の現状についてである。

 「学校だけに任せては解決しない。もう一度生き生きした地域社会を形成するためにも、在日の方たちと手をつなぎ、心を通わせていく、差別のない社会を共に作っていく、朝鮮学校をさまざまな面から助成していく、まずは大阪から扉を開かねば」とキッパリと語った。

[朝鮮新報 2004.1.13]