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写真展「こんにちは 川崎のハルモニ・ハラボヂ」開催

3日間で約400人が訪れた写真展

 植民地時代に渡日し、川崎に移り住み、厳しい労働に明け暮れた在日1世たちの足跡をたどり、差別の醜さ、戦争の悲惨さを学び、同時代、同空間を生きた「地域の歴史」を確かめ合うための写真展「こんにちは 川崎のハルモニ・ハラボヂ―在日60余年、今、他国で老いて―」(主催=宮前韓国・朝鮮を知る会)が16〜18日、神奈川県川崎市の宮前市民館で開かれた。

 会場には写真家の菊池和子さんが撮影したモノクロ写真約90点が展示された。撮影にはふれあい館高齢者交流クラブ「トラジの会」、おおひん地区まちなかホットライン、川崎高麗長寿会の85人の「在日1世」が協力した。

 写真には、軍需産業が多かった川崎の町並みほか、数奇な運命をたどり、言葉も風習も違う異国の地で重労働の後遺症や持病に悩み、生活保護を受けながら1人暮らしをしているハルモニたちや、気さくな仲間と語らい、歌い、踊り、タンポポを摘み、識字学級に通って文字を習うハルモニたちの姿が写し出されていた。

 主催者代表の佐藤惠子さんは「在日韓国、朝鮮人が多い南部とは違って、『在日』が少ない北部ではこうしたことがあまり知られていないのが現実。そこでこの写真展を開く意義はとても大きい」と語った。

 写真展には3日間で約400人の観客が訪れた。

 観客たちは「在日の日常がよく伝わる写真であった」「歴史を振り返るととても悲しくなり、つらくなりました」「大変な時代を生きてこられた方々の写真をみて涙が出てたまらない」「川崎市にこんなに在日の人びとが生活していることは知らなかった」「この写真展でもっと歴史の勉強をしなければと思った」「在日は2世、3世もいるのでこれからもっと良い関係が築けたら良いと思う」「社会的なケアが不足していることもよくわかった」「よく頑張って生きて来られた。これからも どうぞ長生きしてください」など、さまざまな感想を書き記した。多くの感想文の中で佐藤さんは「特にもっと歴史を学ばなければという感想が多かった」ことに手ごたえを感じている。(潤)

[朝鮮新報 2004.1.26]