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高句麗壁画と三角縁神獣鏡

東アジアの古代文化を考える会会長 奥野正男さん

 高松塚、キトラ古墳の発見以来の古代史ブーム。

 17日、東京で行われた講演会・シンポ「高句麗と東アジアを訪ねて」で「三角縁神獣鏡の図像・伽耶の鉄」と題して講演した。現在東アジアの古代文化を考える会会長を務める。

 80年代初めから邪馬台国九州説を主張してきた。

 奥野さんの九州説の根拠には、三角縁神獣鏡の神像と笠松形図形のデザインが、中国出土鏡には見られないだけではなく、高句麗の安岳3号墳の墓主の壁画と酷似していることが指摘されている。安岳3号墳の壁画に墓主の脇に節らしい儀飾と脇侍が描かれていることに注目。当時、日本には帯方郡系の鏡作り工人が移住した可能性があり、高句麗の神仙思想の流伝とともに三角縁神獣鏡の神像と笠松形のデザインを創出したという仮説をシンポでも披露した。日本考古学界の長年の論争にはたして決着の日が来るか。

[朝鮮新報 2004.1.27]