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第32回在日朝鮮学生美術展覧会、8日まで東京で開催

展示された作品を楽しそうに見る子どもたち

 第32回在日朝鮮学生美術展覧会(主催=同実行委員会)が東京都目黒区の目黒区美術館区民ギャラリーで3日から開催されている。

 会場には日本各地の朝鮮幼稚園児童から初、中、高級学校生徒までの応募作品1万1737点のうち、特別優秀賞「統一駅」(金暎美、中3、東京第1)、特別金賞「時環」(申敬玉、高3、東京中高)を含む296点の入賞作品と多数の佳作、地方入選作品が展示された。また、東京朝鮮第5初中級学校、群馬朝鮮初中級学校の中級部と、神戸朝鮮高級学校、大阪朝鮮高級学校の美術部が奨励賞を受賞した。

 作品には、子どもたちの身近な学校生活や家族とのふれあい、国際問題や社会問題などさまざまなテーマが込められていた。中央審査委員長の全且烈氏によると、今年は昨年に比べ出品数が745点増えたという。

 全氏は「初級部低学年から高級部にいたる全過程で美術教育が情操教育としての役割を充分果たしつつある」として、「各年齢にあったテーマを選び、素材の特性、多様な技法を生かした個性的な作品が多かった」と評した。

 最も応募作品の多かった初級部低学年は、子どもたちの健全な情緒世界がいろんな材料と技法で楽しく表現されていた。高学年は多様な生活を独自の視点で見て感じたことを素直に表現した作品が多かった。

 中級部は自分を取り巻く環境、家族や友だち、先生ほか、拉致問題、核問題と関連して加熱するマスコミ報道の中、自分の存在を認識し、民族の誇りを持って祖国統一を願い生きようとする意欲的な作品が目についた。また、高級部は社会、自分、世界、民族、現在に対する考えを深める意欲的で、創造的な力作が多かった。

 3日、行われた東京展の開幕式で、金守埴総聯東京都本部委員長は「子どもたちの絵を見てとても驚いた。在日同胞を取り巻く状況は厳しいが、子どもたちの作品には陰りがない。澄んだ瞳で世の中を見、それを豊かに表現する姿に喜びを覚える。学校の先生はじめ学父母たちの子どもたちに注ぐ愛情の表れでもあろう」と話していた。

 また、会場を訪れた都内の朝鮮学校生徒たちは、自校の友達の作品を探したり、色とりどりの作品を独自に評したりしていた。

 昨年9月から福岡、兵庫、愛知、京都、神奈川、大阪と各地をまわった展覧会(東京展)は、8日午後3時まで開催される。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2004.2.5]