町田市民ミュージカル「平和に生きる子守唄」上演 |
町田市民による平和を願うミュージカル「Lifein peace part4 平和に生きる子守唄」が7日、東京都町田市の町田市民フォーラムで上演された。町田市公民館の平和のための市民講座から生まれた市民による演劇グループ「町田っ子」は、地域や身近なものを題材に2001年から「町田に戦争があった」、「戦争を知らない私たち」、「この街が好き」などの作品を上演してきた。今回上演された作品はこれらに継ぐ4作目。市民らは舞台を作り上げるため、資料を読み、体験談を聞き、現地を訪ねるなどしてきたという。 作品は、戦時中弾薬庫として使われていた「こどもの国」(横浜市青葉区)と爆撃で亡くなった幼い3姉妹の話を取り上げている。監督の黒田雄治さん(俳優、歌手)は、数年前から「一市民として」講座に参加。「平和をテーマに作った作品はpart4で区切りたいと考えていたが、イラク派兵、拉致問題と状況が悪化したため、終わるどころかむしろ逆戻りしてしまった。この作品が平和を考えるきっかけになれば」と話していた。 1945年4月、米軍による本格的な爆弾攻撃を受けた鶴川村三輪から田奈村(現在のこどもの国)には何十万トンにもおよぶ弾薬が貯蔵されており、1938年の建設開始以降、常時約1000人の労働者が働いていたという。そのうち約9割は朝鮮から強制労働させられた労働者。 出演者の朴貞花さんは「町田から相模原にかけては軍事施設が多く、そこでは約4000人の朝鮮人が働いていた。町田に朝鮮学校があるのは、それら強制労働をさせられていた朝鮮人が利用する飯場があったため」と明かした。 作品は過去の悲惨な戦争体験を伝え、観る者に平和のために「何を考えて生きるか」を強く問いかけていた。会場には約400人が訪れた。(金潤順記者) [朝鮮新報 2004.2.18] |