「『在日』に自分の姿重ねた」 |
ミュージカルで在日3世役演じた 鬼澤エメラルド奈津子さん 先日、東京都町田市で行われた町田市民による平和を願うミュージカル「Life in peace part4 平和に生きる子守唄」に在日朝鮮人3世の若者役として出演した。 町田市公民館の平和のための市民講座から生まれた演劇グループ「町田っ子」には小6の頃から関わっている。現在中学2年生。配役の際、自ら「その役をやらせてほしい」と名乗り出た。理由は「同講座に参加する在日の朴貞花さんに差別の実態を聞かされたから」。 アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれた彼女にとって「見た目にも日本人と何ら変わりのない人たちが『在日』であるがゆえに差別を受けるという事実は驚くべきこと」だった。本を読み、朴さんの話を聞いて、朝鮮人強制連行の事実も知った。「敗戦後、国に帰っても、『日本人くさい!』と別の差別が待っていた」。劇中、「差別される側にも問題がある」との発言に激しく抗議するシーンで、練習中から何度も涙があふれてきた。彼女に直接的な被差別体験はない。しかし、いわれない差別を受けてきた「在日」に自身の姿を重ねると耐え難かったと涙を浮かべる。 「みんな同じ人間だし、元をたどれば日本人が連れてきた普通の人たちなのだから、事実を知ったうえで理解を深め、普通に接していければ良い」と話す。夢は「ギターを弾いている彼氏の夢をかなえるため、一緒にスペインに行くこと」だとか。同い年の彼氏は当日、客席から彼女を見守っていた。 [朝鮮新報 2004.2.25] |