ウリナラの茶道史と茶の文化 |
2004年の年初、1月8日と2月19日、アピオ大阪松の間で「ウリナラ茶道史と茶文化」のセミナーが開かれ、約50人が出席しました。 主催したのは、純粋に未来を見つめ「マンナメ水曜会」と銘打ち、毎年「ウリキョレ女性展」を開催し、この8年間、在日社会の垣根を取り払い、「民族はひとつだ」ということを実践してきたコリアン女性たちです。 絵画、陶芸、彫刻、ステンドグラス、パッチワークなどなど、創作に携わる熱い女性たちが、昨年の12月13日にウリナラ伝統文化研究会を立ち上げ、あまりにもないがしろにされてきた、自国の伝統文化に触れあおうと想いを共にしました。 おもえば多くの方々が、茶文化といえば、日本固有の文化だと考えがちですが、あにはからんやウリナラにその伝統茶礼節の規範があったのです。 文化は伝播するもので、その伝えられた国々で形をかえるものですが、茶においては1千年前の新羅の時代の礼法がほとんどそのまま日本に取り入れられたようです。 「喫茶は、すべての国民を覚醒させる原動力」とまで言われています。 知ることのなかった歴史、触れることのなかった民族伝統文化、芸術。なぜに今まで、いや今でもないがしろにされ、見捨てられているウリナラ「茶の文化」。 講師役の尹道心氏の素朴な人柄もあって、茶道の立ち振る舞いに古の先祖の茶に遊ぶ絵が、おぼろげに浮かび、悠久の歴史の一コマを見るようでした。 「自国の伝統文化に自らの無知を素直に認め、そのすばらしさを知らしめてくれた嬉しく楽しい時間でした」「常日頃の騒々しい時の流れを高麗茶という一服の揺れる液のゆらぎに穏やかな息吹を感じとりました。カムサハムニダ」と参加者それぞれの想いが寄せられました。 新羅、高麗の時の茶香が時代をこえてよみがえったように、今後もこの会が、女性たちが社会への関与をたくましく、そしてある意味で果敢に取り組んでいってくれることを願うものです。(金東輝、写真家) [朝鮮新報 2004.3.2] |