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高麗人参余話(33)−連作障害〈上〉

 人蔘は連作障害のひどい作物で人蔘を1度収穫した畑ではその翌年に続けて栽培できない。もしそれでも栽培した場合、初めの年あるいはそのあくる年までは人蔘の葉の生育にはっきりした異常を見つけられないまでも、根っこ(人蔘)には根腐病が蔓延し始め3〜4年生に至ってはたくさんの欠柱が発生し、正常な根っこ(人蔘)の収穫は望めなくなる。

 よく再作ができない理由として人蔘を栽培した土地では人蔘が土地の養分をすべて吸収してしまうとか、ゲルマニウムが無くなってしまうとか言われている。しかし、人蔘の連作障害は一般作物の連作障害の原因とは異なり、根腐病の発生がその主な原因であることがわかっている。

 人蔘の根腐病は致命的な人蔘の土壌伝染病である。その原因としては新種の病原菌であるシリンドロカルポン菌(Cylindrocarpon destructans)やフザリウム菌(Fusariumsolani f.sp.pisi)によるものであることが突き止められている。おもしろいことに根腐病の主役であるシリンドロカルポン菌は一般作物には感染しないが、高麗人蔘や竹節人蔘、カナダ人蔘など人蔘属植物においてのみ病原性を発揮する。これらの病原菌は高温には弱いが、日覆いをした畑では人蔘の生育適温(18℃内外)とも一致して増殖する。

 初作地の場合には根腐病菌の密度が低いので、低年生の人蔘の被害は少ない。しかし、日よけ状態では年を重ねるにつけ根腐病菌の密度も増加するので高年生になるほど病原菌の発生する危険が大きくなる。

 再作地の場合には根腐病菌の土壌密度はすでに相当高くなっているので、もし同じ畑に再び人蔘を栽培するならば低年生から根腐病を発生することがあり、連作障害が発生しやすくなる。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2004.3.5]