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善隣友好の拠点に

雨森芳洲庵守る 大橋孝司さん

 滋賀県高月町雨森部落出身の江戸時代の国際人・雨森芳洲の生家を守る。年に約3万人が訪れる観光スポットにもなっている。

 「芳洲はわが村の誇り。国と国、人と人との交わりを侵略や支配、差別や偏見の目でとらえることを憎んだ芳洲は、あくまで相互理解による善隣友好を願ってきた。時代にどんなに暗雲が垂れてもこの精神を受け継いで、高月町から世界へと平和の大切さを発信していきたい」

 普段は約150戸が暮らす静かな集落。芳洲庵の脇を山から流れ出た清流が巡り、美しい錦鯉が気持ちよさそうに泳ぐ。

 郷土が生んだ偉人への敬意の深さが見てとれる風景であった。芳洲祭りも年々盛んになり、村人が朝鮮の民族衣装をまとって、サムルノリをしながらパレードする。「この祭りには地元の小、中学生も加わって、日朝交流の大切さを学んでいます」。

[朝鮮新報 2004.3.10]