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「雫がしたたる澄んだ音」

日本でただ1人の玉流琴奏者 金知希さん

 5日、東京・青山の草月ホールで開かれた金剛山歌劇団民族オーケストラによる「民族器楽演奏会」で玉流琴独奏「故郷の春」を披露した。

 玉流琴の演奏が日本で披露されるのは初めてのこと。楽器名の由来は「雫がしたたるような澄んだ音色」。

 玉流琴は70年代、朝鮮で箜篌をもとに改良された。箜篌とは、絵画の中に登場する「仙女の竪琴」。それを横に倒し、音域を増やすため33本の弦を用いて、ハープや伽倻琴の要素を取り入れた。

 33本の弦のうち、下の5本は鉄線であとはナイロン。縦に3つに区分され、左側はギター、真ん中はピアノ、右側は伽倻琴の音色が鳴る。そして「民族楽器としては多い13の奏法がある」という。

 金知希さん(26)と玉流琴との出会いは3年前、平壌で開かれた「4月の春の祝典」でのことだった。「美しい音色に心を奪われた。以前はパーカッションなどリズム楽器を担当していたが旋律楽器にも興味があり、1度専門的に習ってみたいと思った」と話す。

 万寿台芸術団にも「お抱え奏者はいない」というほど玉流琴奏者は朝鮮でも少ない。金さんはその第1人者である平壌音楽舞踊大学民族器楽部の金吉花先生(功勲俳優)に師事。「先生は91年、南で行われた分断後初の『統一音楽会』にも出演した」。現在、日本で玉流琴奏者は金さんただ1人。「今後は日本でも玉流琴の奏者が増えることを願っている」。

[朝鮮新報 2004.4.13]