4月の春親善芸術祭典、平壌の春に華やかな彩り |
【平壌発=文光善、李松鶴記者】第22回4月の春親善芸術祭典が10〜18日にかけて平壌で行われ、約40の国から政府文化代表団をはじめとする80余の団体、800人が参加。これまでの祭典でもっとも規模の大きなものとなった。今祭典には、中国の国立交響楽団やロシアのチャイコフスキー名称モスクワ国立音楽大学室内楽団などと共に、在日、在中をはじめとする海外同胞芸術団、著名なアーティストも多数参加し、祭典を彩った。 喝采浴びた在日の公演 「言葉が通じるから情もわく」。在日本朝鮮人芸術団の公演が行われた平壌大劇場の観客たちは、口々にこう言いながら、演目が終わるごとに惜しみない拍手を送った。 あらゆる暴行や暴言に屈することなく、チマ・チョゴリを守り抜く朝鮮学校生徒の姿を描いた独舞「私たちのチマ・チョゴリを守って」や、リ・ヨンスさんの独唱「アボジの気持ち」などに観客らはみな涙した。 リ・ヨンスさんは、独唱会を開くなど朝鮮でも人気が高く、アンコールに応えて「ペンノリ(船遊び)」を歌った際には、場内を回りながら観客と握手を交わしたり一緒にオッケチュムを踊るなどして会場を沸かせた。 公演を観覧したキム・ヒョンジュさん(33)は、「新聞やテレビで在日の生徒が迫害を受けている事実は知っていたが、公演を見てそのひどさを実感した。また、日本に対する民族的怒りがこみ上げてきた。在日芸術団の歌や踊りはとても上手で、朝鮮の俳優たちにも引けを取らないすばらしいものだった」と感想を述べた。 祭典期間、80余の各国芸術団は万寿台芸術劇場、烽火芸術劇場など平壌市内の9つの会場で公演を行った。会場はどこも盛況で、市民たちは「明日はサーカスを見に行こう」などと、公演を大いに楽しんでいた。 各国のアーティストたちは、それぞれの国の歌と共に朝鮮の歌も数多く披露し、観客たちを喜ばせた。 一方、祭典の一環として12日に行われた第7回現時代と民族芸術に関する美学討論会には、各国の政府文化代表団、芸術団の各団長とアーティストらと共に、朝鮮の関係者らが参加した。 報告を行った祭典組織委員会の金正鎬委員長は、民族の歴史と伝統が染みこんだ民族文化芸術を自主的に発展させることは、国と民族の自主性を守るうえで重要な意義を持つと述べながら、すべての祭典参加者が今後、民族芸術を自主的に発展させるうえで先駆者的な役割を果たし、自主、平和、親善の理念のもと、国と民族の繁栄と発展のために力と知恵を集めようと訴えた。 「自主、平和、親善を理念に」 4月の春親善芸術祭典は、金日成主席の誕生70周年を機に「自主・平和・親善」を理念に毎年行われてきた。 10日に行われた開幕式で開幕の辞を述べた金正鎬ホ委員長は、祭典が「世界的な関心と後援により自らの伝統と歴史を輝かせながら、人類の自主偉業実現と文化芸術の発展に貢献していることをうれしく思う」と指摘しながら、今回の祭典も参加者の誠意ある努力と芸術的才能、協調精神によって成功することを確信すると強調した。 関係者によると、祭典への参加を希望する団体は年々増えているそうだ。祭典に参加する団体が毎年変わるのは彼らの需要を満たすためだという。ロシアでは参加申請をする団体が多いため、倍率が約10倍にのぼるという。 祭典への参加を希望する団体がこれほど多いのは、一国主義を追求する米国などの勢力が文化的浸透を通じて自らの支配力を世界的に広めている現在、それに反対し自らのアイデンティティーを守ろうとする各国、各民族の意志の表れといえる。 こうして平壌を訪れた外国の人々を市民は熱烈に歓迎している。 市民らは、開幕式に先立って凱旋門から4.25文化会館までの道のりで行われた祭典参加者らによる芸術パレードを、沿道で花束を手に「親善! 平和!」などのスローガンを叫びながら温かく迎えた。祭典参加者らもたどたどしい朝鮮語で「パンガプスムニダ!」と、手を振りながら彼らの歓迎に応えた。 海外同胞芸術団が来ると、市民たちは彼らに駆け寄り「お会いできて光栄です。いい公演を期待しています」と花束を手渡しながら、温かい同胞愛で迎えた。 [朝鮮新報 2004.4.19] |