第78「国展」、在日女性画家 林美蘭さんが入選 |
先月23日から5月7日まで東京・上野の東京都美術館で「第78回国展」(主催=国画会、後援=NHK厚生文化事業団)が開催された。絵画、版画、彫刻、工芸、写真の5部門からなる「国展」の絵画部門に、千葉県在住の在日朝鮮人女性画家、林美蘭さん(21)が入選。絵画部門213人のうち最年少の入選となった。選ばれた作品は油絵「喫茶店」。淡いパステル調の色彩で描かれた作品は、林さんのお気に入りの喫茶店で射し込む光の中に座っている友人の姿を描いたもの。 「沈黙している人が好き。その中にその人の本質が込められているように感じるから」 講評会では他の入選者たちが、各々自分の作品に対する思いを語っていた。 「私はいろいろ考え過ぎるとかえって描けなくなってしまいそう。美しいものが好き。ただそれだけ」 油絵を始めたのは中学1年生のときに父親が画材をプレゼントしてくれたのがきっかけだった。 「水彩画は重ねる毎に色がにじんでしまうし、油絵ほど自由じゃない。油絵は絵の具を付けたり、削ったり、自由に使える所がおもしろい」。画家としてはまだまだ半人前と言いながら、「いくつになっても理屈ではなく、美しいものを素直に美しいと感じ、表現する姿勢を持ち続けたい」と話していた。(潤) 「国展」絵画部の展示会は30日まで、大阪市天王寺区の大阪市立美術館でも開催される(問い合わせTEL 06・6771・4874)。 [朝鮮新報 2004.5.22] |