中国・蘇州で開かれたユネスコ世界遺産委員会で「高句麗壁画古墳群」世界遺産登録 |
【中国・蘇州発=朴日粉記者】6月28日から7月7日まで開かれたユネスコ世界遺産委員会で、朝鮮の「高句麗壁画古墳群」が世界遺産に登録された。「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)による世界遺産リストには現在、エジプトの「ピラミッド」、カンボジアの「アンコール」、中国の「万里の長城」など129カ国、754物件が登録されているが、朝鮮のものが登録されるのは初めてのこと。 世界遺産登録が決まった瞬間、場内には割れんばかりの拍手が沸き起こった。ICOMOS(国際遺物事務局)を代表して推薦演説を行ったギオラ・ソラア・イスラエル代表は、李儀夏・朝鮮政府代表団団長(朝鮮文化保存局指導部副部長)に駆け寄り、「高句麗はすなわち朝鮮!」と語りかけ、肩を抱き合って喜びを分かち合った。 李団長は、ギオラさんが「千年の歴史を誇る高句麗は東アジアの一大強国であり、朝鮮民族の豊かな文化を創造した」と、推薦してくれたことに心からの謝意を表した。
インド、カナダ、ロシア代表らも次々と握手を求めて李団長のもとに駆け寄ってきた。リチャード・エンゲルハート・米国ユネスコバンコク事務局文化担当ともがっちりと握手を交した。李団長とは今春、バンコクでの世界遺産講習会に参加して以来、顔なじみというリチャードさんは「遺産登録は、朝鮮の熱意の賜物」と祝福した。 今回の世界遺産登録を誰よりも喜んだのは、初日から会議、そして休憩時間のほとんどを朝鮮代表団と肩を寄せ合って談笑しながら歴史的瞬間を待っていた南朝鮮の代表たちだった。 記者団に囲まれながら李団長が、「高句麗文化はわが民族の血脈を一つにする民族共同の遺産」だと語ると、南朝鮮代表からは大きな拍手が送られた。 許権・ユネスコ韓国委員会文化代表は、「中国では高句麗史を辺境の少数民族が建てた地方政権とするまちがった主張が台頭している。わが民族の誇るべき高句麗史を南北の統一と和解の動きのなかで正しく位置付け、統一の精神的、文化的ベースにすべきだ」と語った。 また、佐藤禎一・ユネスコ日本大使も委員会での演説で「高句麗文化は古代日本の仏教をはじめ各分野に多大な影響を及ぼした」と指摘、遺産登録を強く支持した。 人類共同の貴重な宝、朝鮮政府代表団団長
私は、今委員会で高句麗壁画古墳が世界遺産に登録されたことを喜びながら、ユネスコと世界遺産委員会メンバーに謝意を送る。 また、この機会にわが高句麗壁画古墳の世界遺産登録を誠意を持ってサポートしてくれたユネスコとICOMOSの各専門家のみなさんに心からのお礼を申し上げる。 今回の決定は、高句麗壁画古墳の世界的価値を国際社会が認めたものであり、この遺跡の保存管理活動に責任を持つわれわれを力強く励ますものである。 今回の審議過程で示されたように、高句麗壁画古墳は古代東北アジア地域の文化発展水準を見せる歴史文化遺跡であり、朝鮮の誇りであるとともに人類共同の貴重な宝である。 わが朝鮮政府は、この貴重な文化財を立派に保存管理するための活動に深い関心を寄せ、それを改善強化するためにこの部門への予算を系統的に増やしてきた。われわれは今後も、高句麗壁画古墳を立派に保存管理するために努力し、この活動でユネスコをはじめ国際機構、とくに中華人民共和国と文化保存管理分野においていっそうの交流と協力を強化していくだろう。 [朝鮮新報 2004.7.6] |