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「米国人として責任感じる」

シカゴ大学教授 ブルース・カミングスさん

 朝鮮解放後史研究の第一人者。代表作でもある「朝鮮戦争の起源」では、朝鮮戦争に関する当時の概念を覆す衝撃を国際社会に与えた。

 最近日本で刊行された「北朝鮮とアメリカ 確執の半世紀」(明石書店)では、「すべての米国人が好んで嫌う国」朝鮮と、「あらゆる国の人々が米国人になることを夢見ていると信じ込んでいる」米国との60年にも及ぶ敵対関係を説く。

 カミングス教授は本書で1945年から60年経った今、朝米関係は何も変わっていない、ということは米国の対朝鮮政策は常に失敗だったときっぱり語る。また、米国メディアの朝鮮関連の記事は、「ほとんどのものはあまり価値はなく、不正確でセンセーショナル、読者を啓蒙するというよりもあざむく役割しか果たしていない」と批判する。

 先日東京で行われた講演会で教授は、現在行われている6者会談について、朝鮮が日本や「韓国」と良い関係に向かっている中で中国がイニシアチブをとり、会談が行われること自体がプラスであると評価する。

 また、第3回会議で米国が具体的な提案を出したが、それが実行されたとしても「Back to the future」−クリントン政権の時代に戻るだけであると、米国の政策に関しては厳しい「評価」を下す。

 教授は言う。「朝鮮戦争は内戦であったとの考えは変わらない。しかし、どちらが攻めたのかが重要な問題ではない。ただ、アメリカ人として責任を感じる」。

 一貫した学者的良心に支えられた歴史研究には、そんな思いがあるのかもしれない。

[朝鮮新報 2004.7.28]