高麗人参余話(45) 煎じ方 |
漢方では薬を煎じて湯剤にして飲むのが古くからの飲み方である。 人蔘も粉を飲むより煎じて飲むほうが好ましい。「漢方といえば煎じ薬、土瓶」である。人蔘の煎じ方もやってみればそんなに難しくはない。 家に土瓶がなければ代わりにアルミやステンレス製の鍋でもよい。土瓶は熱の加わり方がおだやかで機密性がよいので揮発性が高いものでもその損失を少なくできる。鉄や銅などは金属が溶け出して鍋をいためるので避けたほうがよい。鍋は蓋つきのものが望ましいが片手鍋で蓋がない場合はほかの鍋の蓋を使ってもかまわない。 通常健康増進のための補養剤として長期に人蔘を服用するときは、乾燥した紅蔘1〜2個(12〜20グラム)と棗3〜4個(10グラム)、しょうが大・2分の1あるいは小・1個(3c)の薬材を1リットルくらいの水に加えて弱火でコトコトと3分の1程度の分量になるまで約2時間かけてゆっくり煎じればよい。水の量が少なすぎると有効成分が10分に液のほうに溶け出せない事もある。人蔘の成分であるサポニンのせいで泡を吹くのであふれないように注意が必要だ。薬材は材料を布で濾した後固く絞る。一度煎じた後、抽出液は薄くなるが一度煎じた紅蔘を2〜3回使えるので同じ事を繰り返す。飲むときには少し温めて1日2回から4回に分けて一回に300CCほど食前の空腹時に飲めばよい。 一方、病気回復後等、種々の衰弱症状改善のための短期服用には、少し大目の量を使い同じように煎じる。紅蔘大1〜2個、中5個、小8個(50〜60グラム)と棗3〜4個(10グラム)、大・2分の1あるいは小・1個(3グラム)の薬材を用いる。 2〜3日分をいっぺんに煎じて分けて飲んでもよい。1週間分を煎じる事もできるが夏は3日分くらいにしたほうがよい。ガラスのビンに移し冷蔵庫で保管すれば変質しない。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師) [朝鮮新報 2004.7.30] |