高麗人参余話(51) 胃の不快症状 |
現代人は胃が疲れている。胸やけ、胃もたれ、食欲不振などは日常茶飯事であり、虚弱体質でない人でもストレス、過労、飲み疲れで胃の重い人がたくさんいる。 食物は胃や腸で消化され、小腸で栄養物が吸収される。そして栄養は門脈という血管を通って、肝臓に行き、それを貯え、さらに新しい物質を作って必要な分だけ血液の中に送り込み全身の細胞に供給される。 食物の消化、吸収の力が弱まるといくらほかのよいとされる薬を飲んでも効かなくなる。 高麗人蔘は体力の低下や元気の不足を、胃を温めて、消化吸収を助け、代謝を盛んにすることで治すのでほかの薬を飲む前に服用してみると症状が改善される場合が多々ある。人蔘の基本的な作用のひとつに血行促進がある。人蔘は胃の血行をよくするので、胃の中が楽になる。胃の活動が活発になり、栄養の吸収、分配、貯蔵がスムーズに行われ、食欲も湧いてくる。栄養が十分に与えられると体の防御システムも働きやすくなるのでかぜも引かなくなる。 一方、胃腸に大きな影響を及ぼすストレスであるが古くから漢方で代表的な鎮静薬は人蔘である。黄連(オウレン)などが鎮静薬として用いられるが人蔘はそれ以上に有名である。みぞおちが固くなって強く押さえると苦しさを感じる。 酸っぱいゲップが上がってきたり、腹部が膨慢感に襲われたりしたら人蔘を飲んでみるとよい。お腹がスーッと楽になり。ゴロゴロと胃のなる音が聞こえ、胃のさまざまな不快症状を解消し、気分も落ち着き眠気を催す。高麗人蔘を服用すると、できてしまった潰瘍にも治癒効果がある。知り合いの先生から聞いた話だが胃の手術を受けたあと、下血が止まらず苦しんでいたが人蔘を飲むようになってからは下血しなくなったとのことである。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師) [朝鮮新報 2004.9.24] |