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高麗人参余話(53) 更年期障害

 女性の更年期障害(顔面の紅潮、のぼせ、頭痛、手足の熱感、発汗、動悸、耳鳴り、血圧の動揺、めまいなどの症状のほかに神経過敏、興奮しやすい、ゆううつ症、記憶力や集中力の減少、疲労しやすいなどの精神症状)には、薬物療法よりも伝統的な漢方療法が有効である。

 「不定愁訴」の治療に、産婦人科では卵巣機能を補うため女性ホルモンのエストロゲンを投与したり、安定剤、ビタミン剤などを使うが、投与する量、期間、人体に対する悪影響といった使用上の問題点が少なくない。その点、高麗人蔘には副作用が見られず治療効果も著しいと言うのは大阪市立大学医学部産婦人科の荻田幸雄教授である。(福島民報、95年1月21日)

 荻田教授らは不定愁訴のある女性80人に連続8週間紅蔘の粉末を投与して治療や予防効果を調べたが、全体の80%以上に効能が認められたと言う。中でも1日3グラム投与したグループに最も効果があったという。「抹消血管拡張作用など紅蔘末の薬理効果で、具体的には冷え性、ほてり、しびれなどの改善でとくに効果が見られた。倦怠感や卵巣機能、胃腸機能などにも効果があった」と荻田教授。さらに「不定愁訴の症状に応じて高麗人蔘の投与量を変えれば、より高い治療効果が期待される。性成熟期から老年期へと移り変わる更年期を上手に乗り切るために、漢方薬は理想的な薬材として見直されていいでしょう」ともアドバイスする。からだのリズムがそれまでと大きく変わる老年期に入ると精神的、肉体的に対応できない場合が多く生じて、それがストレスとなり自律神経のバランスが乱れてくるので、不定愁訴の諸症状に対し高麗人蔘は確かに効果がある。人蔘の持つ強壮、抗ストレス作用、血行促進作用、健胃整腸作用、大脳賦活作用、内分泌機能促進作用などが効果を表わすと考えられる。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2004.10.8]