オモニへの手紙 |
「あの日」 あの日 1月17日午前5時46分/大地がかつてないほどに揺れた時/私たちが愛した街は/突如私たちに襲いかかった/清く澄みわたった青い空の下/炎の中で 瓦礫の中で/長い長い一日を過ごした/そして 街が消え 愛する人を失った 家族を失った者/家を失った者/仕事を失った者/何かを失った者はみな被災者だった/給水車に並び/避難所で配給の菓子パンばかりを食べる毎日/みなが被災者だった オモニ! 「心の38度線」 あの日から一年後の1月17日/神戸で二つの慰霊祭/南と北がともに心を合わせて一つの慰霊祭ができない!/分断の悲劇に生きる私たちは 今又新しい悲劇を生み出したのだ! 争いの絶えない親たちもわが子を亡くした時/自らを恥じ帰らぬわが子を悼むだろう/いがみ合う兄弟でさえ親を亡くせば/力を合わせて葬式を執り行うではないか オモニ! 「二つの奇跡」 20世紀最後の年 西暦2000年/7千万同胞と この地球に生きるすべての人々は/二つの奇跡を目撃した 6.15南北共同宣言/分断に抵抗し続け 統一を願い続けた/すべての同胞の血と涙で用意されたそのペンとその紙で/南北の指導者が誓ったのだ/世界に宣言したのだ/6.15南北共同宣言―統一こそが民族の生きる道だと 統一旗/シドニーオリンピックの開会式/二人の旗手が一つの旗を慈しみ高々と掲げ/力強く華麗に翻った統一旗/真っ白な旗地に くっきりと浮かぶ青い地図 「統一旗」! もはや奇跡などではない/決して夢ではない/「統一」は近づきつつある現実なのだ/半世紀を越える分断の歳月/決して夢見る事をあきらめなかった「統一」が近づいている/すべての同胞が「統一」の手触りを/今 いとおしんでいるのだ/ 「すべての河は海へ流れる」 すべての河は海へ流れる/白頭山と漢拏山に落ちた雨の雫は/美しい朝鮮の大地で めぐり合い 混ざり合い/幾筋もの河をつくりだし海へ流れ行く/すべての河は海へ流れる オモニ! 多くの峠を越えてきた民族は/山の頂に近づくほどに/より困難な峠を越えなければならない/だが河は/この時刻にも流れる 海へ 海へ われらも流れよう 河のごとく/分断の哀しみの涙を 統一の喜びの涙にかえ/河となって/進もう/流れよう/ おお 7千万同胞よ/すべての河よ/海へ流れ行け(崔孝行、この詩は3日、「統一マダン神戸」で朗読された) [朝鮮新報 2004.10.13] |