高麗人参余話(54) 低血圧 |
低血圧は心臓の拍動が弱いために、血液を押し出す力が不足して、体中に充分血液を行きわたらせるだけの圧力を得られない状態をいう。血圧が低いと、体温が低く寝つきが悪い。朝、目覚めが悪い。頭は重くて頭痛があり、からだはだるくて、めまいがする。その他にも耳鳴り、食欲不振、動悸、不安などの症状を伴い、女性に多く見られるが、主に「虚証」のタイプの人が多い。 高血圧に比べて低血圧に必要な薬はなかなか見当たらない。高血圧ほど大騒ぎにはならないが自律神経やホルモンのバランスなどとも関連しているので放置しておいては重大な疾病につながる事もある。 低血圧の人が人蔘を飲むと強心作用で心臓が力強く打つようになるので血液の量が増えて血液がよく行くようになり血色がよくなる。 低血圧は単純に血圧を上げればよいというものではなく、体質改善を行い、ストレスを除いていかなければならない。人蔘は血圧を正常に保とうとするバランスを調節するので、低血圧にも非常に効果的な薬である。 人蔘は生体系全ての部分に作用してその不均衡を改善し、恒常性を維持する機能がある。高血圧と低血圧を正常化させるダブルの効能があり、低血圧患者にもっと必要な保健薬である。生体の恒常性を維持する自律神経やホルモンの異常は合成薬品よりも人蔘を使うほうが効果的である。人蔘は自律神経のバランスを整える程度まで副交感神経の緊張をほぐし、ホルモンのバランスを調整することができる。 普通、健康な人は人蔘粉末を1日に10グラム以下で1回に1〜3グラム程度飲むが、低血圧の人は1回に5〜6グラム飲んでもよい。体が温まりとてもよい気持ちになる。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師) [朝鮮新報 2004.10.15] |