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兵庫・伊丹で「家族展 写真とポジャギ」開催

兵庫県伊丹市で開催された「家族展 写真とポジャギ」

 兵庫県西宮市の徐元洙さん(80歳)が自身の人生を写真で伝える「家族展 写真とポジャギ」が8〜10日にかけて、兵庫県伊丹市のみやのまえ文化の郷で開かれた。

 80歳を迎えた「ハラボジ」を祝い、感謝を込めて家族が手作りで催した写真展。徐さんが解放前から撮り続け、保管しておいた約20万枚の中から、厳選された写真が展示された。

 1924年、慶尚南道金海郡で生まれた徐さんは、33年に渡日。苦しい生活のなか、西宮市立商業高校を卒業後、朝鮮総督府に勤務。日本の植民地支配の本質に気づき独立運動に参加した。

 44年、治安維持法違反によって逮捕され、懲役2年執行猶予3年の刑を受けた。解放後は民族教育など同胞と祖国のために貢献してきた。

 展示された写真の中には、日帝により「創氏改名」を強制されたことを記す戸籍謄本や、皇民化教育の事実を訴える「協和会手帳」、帰国船第1号の「クラリオン」号、西宮港から船で帰国する同胞たちなど、在日朝鮮人の歴史を伝える貴重な写真が豊富に展示された。

会場の前に立つ徐元洙さんと孫栄姫さん

 徐さんは「日本がどれだけ朝鮮人を差別してきたかを証明し、日本の主張を反駁するものだ」と語る。

 また、チョゴリ姿の祖父母、両親、ウリハッキョに通っていた孫たちの様子、2001年に故郷を訪問した際の墓参り、朝鮮で帰国した息子一家が開いた誕生日パーティーなど、家族の絆とそれぞれの成長を語る写真も展示された。

 訪れた人たちは「苦労して生きてこられたことがすごく伝わってきた」「日本の植民地政策の悪質さを改めて認識した」と感想を述べた。

 会場には三男の妻、孫栄姫さんのポジャギやチョゴリ作品も展示された。素朴ながら上品な作品の数々に、観覧者は「チョゴリなどは派手だというイメージがあったが、実は素朴で生活力に溢れているものが多い。これが朝鮮の伝統文化なのか」と感心していた。

 孫さんは、宝塚初級に通う娘が中央芸術コンクール大会に出場した際、古い衣装を着ていたのを見て舞踊部の衣装を作り提供したこともある。

 以後、同胞女性が教える教室でポジャギを学んだ。

 孫さんは「私たちの先祖は余り布を無駄なく使い、生活に役立てていた。それでいて芸術作品としてもすばらしい」と、その伝統美の豊かさを語った。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2004.10.16]