東京でいたばしボローニャ子ども絵本館オープン−蔵書2万冊、朝鮮語の絵本は65冊 |
東京都板橋区本町に9月15日、「いたばしボローニャ子ども絵本館」がオープンした。欧州一古い歴史を持つボローニャ大学でも有名な、イタリアのエミリア・ロマーニャ州の州都、ボローニャ市。ここで毎年春に開催される「ボローニャ国際児童図書展」には、世界中の出版社から新しく発刊された絵本が集まり、その名は出版関係者や絵本愛好家などに広く知られている。 板橋区では81年、板橋区立美術館で「ボローニャ国際絵本原画展」を催したことをきっかけにボローニャ市との交流を深めてきた。「絵本館」には、93年以降、板橋区がボローニャ市から毎年寄贈してもらった図書展の出品図書のうち一部を展示している。 80カ国2万冊
「絵本館」には、世界80カ国およそ2万冊の絵本が置かれている。アジア、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、アメリカの大陸別色ラベルを貼った絵本を国、地域別に展示。エジプト、モロッコ、チュニジア、ケニア、ジンバブエなどアフリカ諸国の絵本の斜向かいに、中国、台湾、日本、マレーシア、インドなどのアジア絵本の書架が。そこには朝鮮の絵本も置かれている。 大陸別展示冊数は、アジア大陸(16)1630冊、アフリカ大陸(18)443冊、ヨーロッパ大陸(35)5473冊、オセアニア大陸(2)411冊、アメリカ大陸(9)2740冊。(※()内は国、地域数。04年9月15日現在)
絵本には、音の出るもの、飛び出す絵本など子どもたちがよろこびそうなものから、トイレトレーニング、しつけなど子どもの成長を助けるもの、動物、科学、宇宙の絵本、恐竜の歴史、先住民族のお話などジャンルもさまざま。本のサイズや素材、大きさ、厚さもいろいろで、日頃なかなか手にすることのない、世界各国の絵本を直接手にとって触れられる日本で数少ない図書館である。 リサイクル型施設
絵本館は、再利用品や職員作成による備品を活用したリサイクル型の施設であることも特徴のひとつである。1階にはいたばしボランティア・NPOホール、2階には公文書館、3階にはいたばしボローニャ子ども絵本館が共有するこの施設は、以前、小学校の校舎だった。 統廃合された校舎の跡地を、車いす対応エレベーターをつけるなどして改造。 「絵本館」は、教室として使われていたスペース2部屋分を再利用した。書架は職員の手作り。コインロッカーはほかで不要になったものを譲り受けた。 「絵本館」にはオープン以降、約2週間で、1000人以上が訪れた。
小島隆夫・板橋区立中央図書館長は、「板橋区では93年から毎年、夏休みに『ボローニャ・ブックフェアINいたばし』を開催してきた。数年前から常設展を望む声が高まっていた中、貯蔵図書も2万冊に増えたし、財政難のなか施設の確保にもこぎつけ、職員の手作りによって温かい『絵本館』が開設された。言葉がわからなくても、絵の美しさ、装丁の奇抜さなど、絵本を通じて国や地域の異なる文化に触れ、大人も子どもも地球に住むいろんな人たちへの理解を深めていけたら」と話していた。(金潤順記者) ※問い合せ:TEL 03・3967・5261(板橋区立中央図書館)、TEL 03・3961・9981(板橋区立氷川図書館) [朝鮮新報 2004.10.22] |