高麗人参余話(56) 脂肪肝の予防 |
酒は百薬の長。寝る前の一杯はからだにもいい。しかし、一杯、一杯また一杯と杯を重ねるにつれ浮世も忘れついには酒に飲まれてしまう。海に溺れる人よりも酒に溺れてしまう人が多い所以である。 人蔘が二日酔いによいという事については、人蔘産地ではよく知られている。実際、お酒を飲む一時間前に人蔘を飲むと本当に酔いが違う。お酒の飲みすぎや酔っ払っているときにも卓越したアルコール解毒効果がある。人蔘はお酒を飲む人の肝臓を守る。お酒は胃で吸収され一部はエネルギー源になるが、残りは毒物として肝臓で処理される。しかし、アルコールの量が多いときは処理しきれないため、脂肪に変えられ脂肪肝の原因となる。肝臓にアルコールが入ると、アルコールは最終的に炭酸ガスと水に変わるので90%が肺から、残りは汗と小便から排泄される。アルコールはからだの中で順番に代謝されてアセトアルデヒド、酢酸に代わっていくが、人蔘はアセトアルデヒドの代謝を促進するアルデヒド・デヒドロゲナーゼという酵素の活性を増加させて不快感やストレスを除いてくれる。 延世大学の朱忠魯博士らは10日間連続しての実験で、Aグループのねずみにはアルコール入りの餌を与え、Bグループのねずみにはアルコールだけでなく高麗人蔘も併せて餌を与えたところAグループのねずみの肝臓には脂肪がたまり肝臓の損傷が激しいのに対し、Bグループのねずみはそうでなかったことを解剖の結果、顕微鏡で確認した。ひとの臨床試験でも人蔘と一緒にお酒を頂いたときには、お酒だけを飲んだときに比べ血中アルコール濃度が遥かに低くなる事がわかった。人蔘はアルコールの代謝を促進するのでアルコール性肝硬変防止に役立つ。ぜひ、覚えておきたい。(洪南基、神奈川大学非常勤講師) [朝鮮新報 2004.10.29] |