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高麗人参余話(57) 脳卒中

 最近、高齢者のみならずまだ若い人が突然脳卒中で亡くなることがよくある。中年以降は注意しなければならない。脳卒中には、脳出血(脳溢血「のういっけつ」と同じ・ほとんどが高血圧性)と脳梗塞がある。

 脳出血は頭の中で脳の細い血管が破れて血液が出てくるもので、血液中の血小板の作用で血液が脳の中で固まってしまう場合である。いったん破れた血管は2度と元には戻らない。ところが高麗人蔘には血小板の凝集を妨げ、溶かす作用があり、脳溢血の予防と治療の両方で効果がある。

 一方、脳梗塞には脳の血管内で血栓が生じ閉塞する脳血栓症と心臓の中の血栓が脳まで運ばれて、そこで血管を閉塞する脳塞栓症の2種類がある。血栓は高脂血症や糖尿病、慢性的疾病、腸内細菌がつくる内毒素などさまざまな原因により起きる。脳にはグリコーゲンのようなエネルギーを蓄えられないので24時間グルコース(ブドウ糖)と酵素が供給されなければならない。しかし、動脈が閉塞して血行が途絶えると5分で神経細胞が死んでしまう。高麗人蔘の有効成分サポニンには血栓など繊維性の異物を溶かす作用があり、脳血管中にできた血栓を溶かしてくれる。人蔘の服用が動脈硬化や血栓を溶かすのに有効であることはよく研究され、知られている。即効性を期待する事はできないが血栓や血小板の凝集が溶けるまで気長に服用すれば快方に向かう。脳卒中で倒れた後人蔘を飲み続けて社会復帰したケースがたくさんある。

 人蔘には抹消循環改善作用があり、紅蔘を服用すると手、足が暖まり皮膚の温度が上昇する。紅蔘粉末が強力な血管拡張、血小板凝集抑制作用があることは広く知られている。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師)

[朝鮮新報 2004.11.5]