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〈みんなの健康Q&A〉 慢性肝炎(下)−B型肝炎治療法

 Q:B型肝炎の治療にも変化はありますか?

 A:今後、B型慢性肝炎では飲み薬による治療が主流になります。B型肝炎の治療でも3年前まではインターフェロンが主に使われましたが、C型に対するよりもその効果はさらに当てにならず、インターフェロン治療はB型でも不評でした。しかし2001年12月から診療に導入されたラミブジンという抗ウイルス薬はそれまでのB型肝炎治療を大きく変えることになりました。1日1錠飲むだけの内服薬であるうえに、副作用はほとんどみられません。抗ウイルス効果はかなり高く治療開始2〜3カ月で血液検査の異常はみるみると改善しました。しかし、この薬には大きな問題があったため、薬効が高いことは知りながら肝臓専門医は使用にためらいを感じていました。それは、ラミブジンが効かないB型肝炎ウイルス(ラミブジン耐性ウイルス)が知らぬ間に肝臓で増え、内服開始2〜3年のうちに60%前後の患者さんで耐性ウイルスが血液中にも現れることです。その際に落ち着いていた肝炎がまた暴れだし、中には重症化して死亡する例もあると報告されました。耐性ウイルスが出現し肝炎が悪くなりそうな時に使える武器は悪評高きインターフェロンなのです。耐性ウイルスが増えたのでラミブジンを中止すると、今度はもともと肝臓に巣くっていたB型ウイルスが再び増殖を開始しラミブジン内服前の状態に戻ってしまうことも問題でした。

 Q:ラミブジンはとても使いにくい薬のようですね。

 A:そのとおりで、これだけですとどのように使うかが、かなり難しいのです。しかし、2004年12月以降には新たな展開が予想されます。それは、12月中旬から、ラミブジン耐性ウイルスに対しアデフォフィルという新しい薬が使えるようになるからです。ラミブジン耐性ウイルスに対して使える薬が出てくることによってラミブジンがより使いやすくなるはずです。さらに今後はエンテカフィルという新たな薬も使えると予想されます。他の新たな数種類の抗ウイルス薬についても臨床試験が進行していることが2004年10月末から行われたアメリカ肝臓病学会で発表されました。アデフォフィルの使用方法に慣れる期間が少しばかり必要となるでしょうが、B型慢性肝炎治療の新しい流れはできつつあるといっても言い過ぎではないでしょう。これらの抗ウイルス薬を上手に使っていくことでB型慢性肝炎が沈静化し、その結果肝硬変への進行がくいとめられるだけではなく、肝癌の予防にもよい効果がもたらされることはC型肝炎の場合と同じなのです。この記事を読まれた同胞諸兄姉のうち60歳代の患者さんがおられるならば、今こそが最後のチャンスとお考えになり、肝臓専門医のドアを今一度叩かれんことを強くお勧めします。肝炎からの解放を勝ち取り美酒に酔いしれようではありませんか! アルコール性肝障害のことは、後日また。(姜貞憲先生、手稲渓仁会病院消火器病センター、札幌市手稲区前田1条12丁目、TEL 011・681・8111)

[朝鮮新報 2004.12.3]