高麗人参余話(60) 冷え性 |
女性に多い冷え性。冷え性には自律神経のバランスの狂い、あるいは太りすぎで皮下脂肪が厚くなり、毛細血管が圧迫されるため血流が悪くなるケース、また無理なダイエットや柿、ミカンなどの体を冷やす食べ物の影響、自己免疫疾患等によるケースがある。 昔から漢方の処方で貧血のある人、冷え性の人、漢方用語で「虚証」と呼ばれる虚弱体質の人には人蔘を服用したが、これは経験的に人蔘の造血作用が分かっていたためである。 高麗人蔘には血液の循環をよくする作用がある。高麗人蔘を飲むと血管が開いて血液がよく流れるようになり、しだいにからだが温まる。 血液は体温の維持に影響を及ぼす。血行が良いということは健康の維持と疾病の予防と治療、回復に好ましい結果をもたらす。暑いときには血管を広げ血液の流れにより体温の発散を促進し、寒いときには血管を収縮し体温の発散を抑制する。血行が悪くなると顔色が蒼白になり、女性の場合は化粧の乗りが悪くなる。運動、お風呂、マッサージなどは血行をよくする。人蔘を3カ月くらい服用した人々によると、まず肩こりが楽になって、頭痛の鎮痛剤を使わなくなり、布団に入るとすぐにホカホカと温まってくるという。 体全体の調子、疲労感、食欲、不眠、手足の冷え、便通異常、めまい、立ちくらみ、肩こり、筋肉や関節のこわばり、頭痛、頭重、胃痛、腹部膨慢感、などの17項目を二重盲検交叉試験法で高麗人蔘とにせのカプセルを6週間ずつ交互に投与してその効き目を確かめたところ、前記のような症状が見られなくなったり、軽くなったという改善率が高麗人蔘使用期間ではほとんどが50%を越え、中には最高90%に達したものもある。(洪南基、神奈川大学理学部非常勤講師) [朝鮮新報 2004.12.3] |