金剛山歌劇団04年アンサンブル公演終了、全国21ヵ所、3万1000余人が観覧 |
「愛」をテーマに、日本各地を巡回した金剛山歌劇団2004年アンサンブル公演「悠久な歴史の香りを」が11月30日、拍手喝采の中、幕を閉じた。東京都北区の北とぴあで行われた千秋楽には、総聯中央の徐萬述議長、許宗萬責任副議長をはじめ約1100人の同胞、市民らが訪れ観覧した。 金剛山歌劇団は今年、日本各地21カ所で28回上演し、約3万1000人が観覧した。 洪嶺月名誉団長は今年1年の巡回公演を振り返り、「厳しい状況の中でも民族芸術に対する同胞たちの思いがいかに熱いかを実感することができた」と語った。9月9日の初公演以来、行く先々で一部勢力による嫌がらせを受けたが、会場に足を運んでくれた観客たちの姿に団員たち自身が励まされたという。 東北では99%が日本人 在日同胞を取り巻く環境が厳しい中、東北地域では観客の99%を日本人が占めた。地域ごとに民族芸術を通じて、朝鮮と在日同胞に対する理解を深めてもらおうとの積極的な取り組みが行われた。 朝鮮学校支援のチャリティーを兼ねた千葉公演を見た清水澄子四街道市議会議員は、「民族の重さ、愛国心にあふれた演技は、世界平和の願いとも思える内容だった。多民族の共存の文化が公演を通してさらに深まることを願う」と感想を述べ、横堀正一さん(69)は「胸ふくらみ、芸術性と民族性が融合した公演に感銘を受けた。こういう機会をもっと増やすためにも、日朝国交正常化を急がねばならない」と感想を残した。 朝・日相互理解の一助に また公演は、同胞たちにも多くの感動を与えた。 「あっという間の2時間だった。日頃の生活では味わえない経験で、祖国の文化に触れたのはこれが初めて。始終笑顔が絶えず、リズムを取ったりと本当に楽しむことができた。周囲の方が立ちあがって踊ってくれないのが見渡しながら残念だった」(愛知県、鄭久子、50)、「日本社会ではなかなか見ることのできない民族文化に触れられる大切な機会だ。内容も現代的なものと古典の折衷でおもしろかった。同胞同士のふれあいの場であると同時に、日本社会へもっとアピールして朝鮮に対するイメージの幅を広げ、相互理解の一助になればと思う」(愛知県、朴恭子、32)、「久しぶりに民族芸術に触れた。後ろに座っていた日本の女子高生らが、5太鼓の舞を見て『すごい!』を連発しているのがおかしかった。民族衣装もとてもきれいだったし、もっとたくさんの日本の人たちに見てもらいたい」(東京都、康理愛、29)。 各地の朝鮮学校訪問 来年、創団50周年を迎える歌劇団は今年、各地の朝鮮学校を訪れ、在校生や教職員、アボジ会、オモニ会のメンバーらと交流を深めた。「団員たちはみな、民族教育を受けた在日3世、4世たち。民族教育の存続は団にとっても死活問題」(名誉団長)。茨城、宮城、北海道、長野、福岡、徳山、広島、奈良…、公演先の朝鮮学校はもとより、福岡県では日本の小学校をも訪れて朝鮮の歌と踊り、民族楽器の演奏を披露し、生徒たちとともにオッケチュムを踊った。 生徒たちは「はじめてオッケチュムを踊った。最初は難しかったけれど、やってみると楽しかった」(チョン・マユ、高3、茨城)、「農楽がとてもすごかった。大きくなったら舞踊家になりたいな」(リ・ユソン、初2、茨城)などと話していた。 [朝鮮新報 2004.12.5] |