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「いのちとこころの宇宙」、童謡詩人金子みすゞ展

 「私と小鳥と鈴と」や「大漁」などの詩で知られる童謡詩人金子みすゞは、明治36年(1903年)山口県長門の仙崎に生まれた。詩人西條八十に私淑し、高い評価を受けながら26歳の若さでこの世を去った。

 大正後期、下関で大きく開花した彼女の才能とその作品は、当時一世を風靡しながらも、その後、時代の中で長い間埋もれていた。

 それから半世紀、みすゞの詩に心打たれた児童文学者矢崎節夫氏の16年に及ぶ努力の結果、512編もの詩が自筆で綴られた3冊の手帳が発見され、彼女の没後54年目(1984年)に金子みすゞの世界は、詩集「金子みすゞ全集」としてよみがえり、現代の人々に深い感動を呼び起こした。

 その後、舞台やテレビ、映画に金子みすゞが取り上げられ、生誕100年の2003年には、彼女のふるさと仙崎に「金子みすゞ記念館」が設立され、30万人を超える人々が、みすゞの心に触れようと訪れ、みすゞの詩の原点ともいえる地で感動を新たにしている。

 静かに小さきものたちや、弱きものたちを見つめる彼女の視点は、現代に生きる私たちの心にも新鮮で、なおかつ強く訴える力を持っている。

 本展では、みすゞ直筆の3冊の手帳を公開するとともに、みすゞの生まれ育った仙崎や、下関の映像を交えて約70編の童謡を自筆で紹介し、限りなく広がるみすゞの詩の魅力に迫る。また、みすゞの足跡や、彼女が生きた時代の文化的背景を紹介する資料も展示。さらに、テレビドラマ、映画、舞台、絵本原画へと、ますます広がっていくみすゞの世界も紹介され興味深い。

 会期:2004年12月30日(木)〜2005年1月17日(月)、1月の休業日、1日(祝、土)、会場:銀座松屋8F大催場(東京都中央区銀座3−6−1)、読者、視聴者の問い合わせ先、TEL 03・3567・1211(銀座松屋)、開場時間、12月30日(木)、10時〜20時、31日(金)、10時〜18時、1月2日(日)、10時〜19時、3日(月)、4日(火)、10時〜20時

 その他は10時〜20時。入場は閉場の30分前まで、最終日は5時閉場、入場料:一般、1000円(700円)、大学、高校生:700円(400円)、中学生以下無料、( )は前売料金(いずれも税込)、チケットぴあにて発売Pコード983−653

[朝鮮新報 2004.12.6]