大阪・第9回「ウリキョレ女性展」 統一と平和と愛のラインを |
第9回「ウリキョレ女性展−分断の時代の神話を越えて−」が11月1〜4日まで、大阪国際交流センターで開催され、74人の作品が会場いっぱいに展示され、会期中450余人の観覧者が訪れ、大盛況のうちに幕を閉じた。 毎年恒例となったこの企画は、9年前の新春、絵画愛好家の間で広がった大阪でも女性展を≠ニいう、ささやかな願いと祖国統一への熱い想いが結実して発足したもの。 分断の痛み、在日の生きざま、女性たちの分かち合いの気持ちを、作品を通して発信しようと、一世世代を共同代表に迎えて始められた。 今年は、趣を新たに墨、陶、布の伝統と創作をテーマに、書芸、陶芸、ステンドグラス、布作品(ポジャギ、朝鮮人形、刺繍、創作衣服、パッチワーク)など137点が展示された。
また、会場に茶道コーナーを設置し、わが国の精神文化である伝統茶禮セレモニーを、3回にわたり6人の招待客をはじめ、参加者142人に披露した。 女性展の活動は、これまでは在日同胞の多住地域である大阪一円にとどまっていたが、今年初めて平壌、ソウル、済州道と、そして他県からの心ある協賛出品、友情出品も届き、さらなる広がりをもたらした。 とくに自作の詩を書にして出品された、故文益煥牧師夫人の朴容吉女史(85)は娘の文瑛金さんと、孫娘の朴文淑さんの3世代が、共に女性展開催を祝して急遽来場された。 オープニングセレモニーにチマ・チョゴリで正装して出席した朴女史は、レセプションの席上で「ウリキョレ展出品作は、祖国統一を願う熱意が伝わる作品ばかり。統一の夢が必ず叶うと信じる。統一は時間の問題なのです」と話し、参加者たちに深い感銘を与えた。 会場入口に飾られた韓紙工芸(高正女、済州在住)と、閨房工芸作品や、創作朝鮮人形15点(協賛出品、李玉禮)などは、一際目立ち、多くの観覧者にウリ伝統工芸の優しさを知らしめた。 今年1月からスタートした、ウリキョレ文化教室「ポジャギ」の受講生16人の作品78点も展示された。作品は習作から秀作まで多様であるが、一針一針丹精を込め、作り手の想いがあふれて、観る人に大きな感動を与えた。 書芸コーナーでは「手のひらの信頼」(朴容吉)、「ポリパッ(麦畑)」(金仁順)、「統一の花」(協賛出品、韓静資)、「ミウム」(梁禧順)、「アリラン」(玄明淑)、ハングル書芸作品や、協賛作品である「善竹橋、開城」(李王絢)、水墨画「にわとり」(尹英姫、平壌在住)、サークル・ニルヴァナー・北摂同胞書道教室の11人の作品などは、年々レベルアップし、例年に比べ出品数も多く、風格が備わったと感じさせた。 陶芸・ステンドグラスコーナーも、回を重ねるごとに作品に雅致と深みが備わり、「空間のバラードU」(金英姫)、「漢詩、絶句」(朴鈴子)、陶芸「想い」(孫理蘭)など、20代の新進出品者のバラエティーに富む作品が目を引いた。 出品者の年齢は、20歳から88歳。 会場を訪れた人たちは、異口同音に「綺麗!」「すばらしい!」「ウリナラにこんな伝統工芸、文化があったなんて知らなかった」「自分もチャレンジしてみたい」と感想を語っていた。(金潤子) [朝鮮新報 2004.12.14] |