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〈第82回全国高校サッカー選手権〉 京都朝高、初戦突破ならず

 第82回全国高校サッカー選手権大会に京都府代表として出場した京都朝高サッカー部は2日、埼玉スタジアム2002で埼玉県代表の武南高校と対戦(2回戦)。0−2で惜しくも敗れ、初戦突破の「夢」は果たせなかった。8500人を超える観衆が詰めかけたスタンドでは、総聯中央の徐萬述議長と許宗萬責任副議長も同胞らとともに観戦、声援を送った。(文=羅基哲、鄭茂憲記者、写真=姜鐘錫記者)

「悔いのない試合」

 京都朝高は、予選の京都大会(77校参加)にノーシード(全9試合)で出場し、初の全国大会へのキップを手にした。ロングフィードを主体とし、オーソドックスな戦術を適用する。

最後まであきらめず、気迫に満ちたプレーで観客を沸かせた京都朝高イレブン

 一方の武南は、2年連続13回目の出場で、優勝経験もある。ワイドに攻めるのが特徴だ。

 試合では前半早々、京都朝高が相手ゴールを何度となく脅かすが、得点には至らず。それに対し武南は、体を張って朝高のボールを奪い、16分と34分に得点。前半は2点差で武南が有利に折り返すが、内容は互角だった。

 後半、京都朝高はアーリークロスを多用するが効果的な攻撃につながらない。結果、0−2で武南が朝高を下した。シュート数は武南15、京都朝高13だった。

 武南の大山照人監督は京都朝高に対して、「(京都大会決勝戦に比べて)レベルアップした。よくここまでたたかったと思う」と述べていた。

 一方、京都朝高の金宏鎮キャプテンは、「悔いのない試合だった」と言い、金栄周監督は、「少ない人数の中でよくここまでがんばった。しかし、全国のレベルは高く、基礎の差が出た」と語った。

 試合後、選手らを激励した徐萬述議長は、「最後までよくたたかった。同胞らに力と勇気を与えた」と力強く語った。

健闘称える同胞ら

 選手のユニフォームと同じ色の赤いTシャツに帽子、タオル、メガホンを持った同胞、学父母、OB、在校生らで埋め尽くされた京都朝高応援席。「初戦突破」「1勝」を願い、終始、熱いエールを送っていた。

 惜しくも負けたが、強豪を相手に「互角」のたたかいを見せた選手たちの健闘を称え、応援席からは惜しみない拍手と声援が送られた。

 「最後まで走りぬく『朝鮮民族のサッカー』を見せてくれた」、と語るのは在日本朝鮮人蹴球協会の李清敬理事長。「前半10分間は朝高のペースだったが、その後の失点を機にバックスラインが乱れ、相手のスピードに乗った攻撃にほんろうされた。後半は五分と五分の展開だった。この経験を生かし、来年もまた同胞たちに力と勇気を与えてほしい」と強調していた。

 京都から応援に駆けつけた韓直樹さん(会社員、37)は、「よくやった。技術の差を気迫でカバーしていた。同胞のため、そして京都府代表として最後まで走り抜いた朝高イレブンを称えたい」と話していた。

 また埼玉在住の徐基容さん(会社員、26)は、「格上の武南が相手だったが、よくがんばった。これからはカウンターだけではなく中盤でタメをつくって攻めるサッカーを展開してほしい。これからの京都サッカー部に期待したい」と語る。

 「試合を見て勇気をもらった。負けて悔しいけれどすばらしい試合だった。ただ1点がほしかった」と京都朝高2年の張寿mさんが涙ながらに話してくれた。

 サッカー部2年の孔烋宏くんは「よくやった。今までの練習の成果をいかんなく発揮してくれた。いい試合だった」と応援でがらがらになった声を詰まらせながら「先輩たちが残してくれたものを受け継いで、来年、この選手権でリベンジしたい」と力強かった。

 部員数わずか28人という条件の中でも全国大会出場を果たした京都朝高サッカー部。貴重な経験を糧に、「全国へのキップ」「まず1勝」を目標にまた練習を重ねてもらいたい。

[朝鮮新報 2004.1.6]