第2回全日本女子アマチュアボクシング大会に出場の大阪朝鮮高級学校2選手が金、銀 |
第2回全日本女子アマチュアボクシング大会(主催=日本アマチュアボクシング連盟)が12〜14日、埼玉県の大利根町文化体育館で行われ、大阪朝鮮高級学校1年生の金聖姫さんが中量級で優勝、2年生の康未来さんが軽中量級で準優勝した。 女子ボクシングは2008年の北京五輪で正式種目になる予定で、同連盟は選手育成を目標に昨年から同大会を実施している。 大阪朝高ボクシング部では、02年度から女子生徒を受け入れ男子と同じ練習メニューをこなしている。現在女子部員は3人。 大会は、初心者を対象にした演技部門と実戦部門に分かれて行われた。 演技の部は2日間(12、13日)、フットワーク、打撃、防御、体力、攻防と体力の5つの部門に対する採点方式で行われ、金選手は85点、康選手は92点の成績を収めた。 金さんは、「優勝したという実感がわかない。来年は実戦競技に出られるようがんばる」と感想を述べた。康さんは、「くやしいけど、悔いはない。また1年間練習に励みたい」と語った。 大会規模こそ異なるが、創部以来大阪朝高ボクシング部の選手が全国大会で優勝したのは金選手で5人目。 昨年の同大会では李章妃さんが3位に入賞した。 今大会で優秀な成績を収めた金さんと康さんがボクシング部の門を叩いたのは昨年5月のこと。2人とも初級部で舞踊部、中級部はバスケットボール部に所属した。 昨年の4月に神戸朝高から転校してきた康さんは、最初、部に入るのをためらった。しかし、「男性部員に混じって汗を流す李さんの姿に憧れてボクシングを始めた。私自身の力がどれほどのものかを確かめたかった」と言う。 一方の金さんは、個人の能力を試すいい機会だとボクシング部を選んだ。 高校選抜やインターハイに毎年、優秀な選手を送り出している同校ボクシング部の練習は厳しい。 当初は腕立て伏せや腹筋などもままならなかった2人だが、男性部員に負けてなるものかと歯を食いしばり黙々と練習に打ち込んだ。 クラスメイトからは、「女の子なのにボクシングをやるなんてすごいね」とひやかされたが、自分が決めた道を突き進んだ。両親も反対はしなかった。 金さんは、「ボクシングの魅力は、個人競技だけどそうじゃないところ。リングに上がるのは1人だが、そこまでの過程には多くの人たちの力が必要だ。周りの人の助けなしに今日の私の栄誉はない」ときっぱりと言う。 康さんも「ボクシングを通じて自分でも驚くほど忍耐力がついた。来年の大会には卒業しているので出られないが、進学しても社会にでてもボクシングを続けたい」と述べた。 今大会の結果について同部の梁学哲監督は、「出場した2人が金、銀メダルに輝き女子ボクシングの名門校に名乗りをあげることができた。男性部員に混じって同じ練習メニューを消化してきたのが結果につながった。朝鮮の女子ボクシングの水準は世界の最高峰にあるだけに、将来の国家代表選手を育成してみたい」と夢を膨らませた。 ボクシング部主将の李裕一選手も、「いい刺激を受けた。選抜大会で女子に負けないくらいの結果を出したい」と決意を述べた。(千貴裕記者) [朝鮮新報 2004.3.19] |