top_rogo.gif (16396 bytes)

〈第18回オモニバレー大会〉 10年以上審判務める文聖姫競技部長

 17、18の両日、愛知県岡崎中央総合公園総合体育館で行われた第18回在日朝鮮オモニ中央バレーボール大会。

 競技を運営したのは、各地方から選ばれた14人の女性審判員たちだ。

 競技部長を務めた文聖姫さん(53、神奈川在住)は10年以上前から大会審判員として活躍している。

 30代で審判員になった文さん。

 「バレーを始めたのは中学の時。審判をするようになったのも自然の流れでした」

 日本学校出身。高校3年の時、在日同胞が集う中央体育大会のバレー競技に出場したことで初めて同胞と接した。

 「あの時、あの場所に行かなければ同胞の社会を知らずにいたかもしれない。はじめは言葉もわからず、嫌悪感でいっぱいだった」と笑う。

 だが、いつの間にか同胞社会に溶け込んでいた。

 そして、自分のルーツを知る大切さを実感した。

 「母国の言葉と歴史を知るべきだと思った。子どもたちにも民族の心を宿したいと思い、ウリハッキョに通わせるのに少しの迷いもなかった」と話す。

 審判のA級ライセンスを持っていた神奈川県バレーボール協会の先生に師事。

 「審判の基本はチームに迷惑をかけないこと。選手に楽しくプレーしてもらえたら」(文さん)

 十数年前、在日の知人にオモニバレー大会の審判をやってみないかと誘われたのがきっかけで、毎回欠かさず参加するようになった。

 頻繁に行われる日本のバレー大会に比べると開催回数の少ないオモニバレー大会。だからこそ毎回サポートしたかったという。

 競技中もひっきりなしに動き、息つくひまもない。

 試合状況を完璧に把握し、鋭敏な視線でボールを追いかける。オモニたち一人ひとりの意見を聞き、優しくも、しっかりした口調で細やかに説明する。

 「審判員は歌舞伎でいう黒子。決して選手たちより目立ってはいけない」と文さんは話す。

 「意見が食い違ったり、判定を批判されることはすごく辛い。苦い思いをしながらなんで続けているのかと思うこともしばしば。でも困難があるからこそもっと勉強して追求したい。根っからバレーが好きなんでしょうね。バレーそのものから離れられないんです」

 「オモニたちのパワーは計り知れない。ラリーが続く見応えのある試合だった。技術面で成長している証拠。これからも同じ『オモニ』として、バレー仲間として、できるところまで手伝っていきたい」(良)

[朝鮮新報 2004.4.26]