WBCスーパーフライ級世界戦、洪昌守選手防衛果たせず |
6月28日に横浜スーパーアリーナで行われたWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ。洪昌守選手(共和国労働英雄、人民体育人、金沢ジム)は挑戦者の川嶋勝重選手(大橋ジム)と対戦し、TKO負けを喫した。防衛記録は日本国内歴代2位タイには届かなかった。しかし、最後まで相手に立ち向かっていく洪選手の姿は、同胞たちに大きな力と勇気を与えた。 会場には、各地から同胞、朝青員、学生ら1000人が詰め掛け、熱い声援を送った。住まいのある朝青大阪・東成支部のメンバーらも駆けつけた。 会場には「朝鮮の虎、洪昌守」「百戦百勝、洪昌守」などの文字がつづられたいくつもの横断幕。洪選手が入場すると、応援団をはじめ同胞らは身を乗り出して「ホン・チャンス〜!」と叫び、朝青員らは統一旗と朝鮮の旗をふりかざした。東京朝高吹奏楽団の演奏は、場内の雰囲気を盛り上げた。 司会者が洪選手を紹介した瞬間、風船が音を立てて宙を舞い、再び「ホン・チャンス〜!」コール。 試合前日に行われた調印式では「どんな形でも勝ちたい」と話していた洪選手だったが、試合終了後、レフェリーが挙げたのは川嶋選手の腕だった。だが、1994年にデビューを飾り、2000年に王座に就いた後は8回の防衛を果たし、限りない喜びと勇気を与えてくれた洪選手の闘志と雄姿に、同胞らは惜しみない拍手を送った。拍手はいつしか手拍子に変わり、「ホン・チャンス! ホン・チャンス!」のコールへと続く。母校の東京中高の校歌とともにいつまでも鳴り止まなかった。 朝鮮大学校の慎泰和さん(政治経済学部1年、東京朝高出身)は、「高2の時インターハイの出場が決まった僕に、直に応援の言葉をかけてくれたことが今でも忘れられない。本当に心遣いのある温かい人だと思った。東京朝高ボクシング部のOBに洪選手がいることを心から光栄に思う。これからも『道険笑歩』の精神で突き進んでほしい」と話した。 プロボクサーの金ル哲さん(23、ドリームジム、東京朝高出身)は「洪選手とは面識がないが、本当に尊敬している。よく8度防衛を果たしてくれたと思う。洪選手の意志を継いで、来月に行われる試合に絶対勝ちます」と決意を語った。 「本当にがんばった」と涙ぐみながら話すのは東成支部の金龍和さん(27)。 「かつて一緒に住んでいたこともあって、今でも実の弟のようにかわいがってくれている。いつも明るく、場を和ませてくれ、ボクサーとして、人間として心から信頼し、尊敬できる人。(ボクシングを)まだやってほしいというのが正直な気持ちだが、決して無理はしないでほしい。感動をありがとうと心から伝えたい。洪選手は一生我らの誇りです」と最後には笑顔を見せていた。(崔良先記者) [朝鮮新報 2004.7.1] |