ミドル級の尹善猶選手はベスト８に入った。

　尹選手も関係者を驚かせた。「これまで試合にはぜんぜん勝てなかった」という。

　だが、２、３回戦（１回戦はシード）では打ち合いを制し、余裕の勝利。準々決勝では、全国大会３度目で優勝候補とも言われる東京朝高の愼泰徹選手と対戦した。メダルをかけた「朝高同士の対戦」は初めてだそうだ。

　尹選手は、愼選手の素早いフットワークを封じ、得意の左を何度となく浴びせた。

　結果は判定負けも、「自分の力を出し切った。悔いはまったくない」と笑顔で語った。

　ライトウェルター級に出場した李裕一選手は、３度目の全国大会だった。

　李選手は１回戦で右の拳を痛めてしまった。それでも、２回戦ではその拳で相手に強烈なカウンターを浴びせ、圧勝の判定勝ち。

　３回戦では、強豪宮城県農業高校の松浦正博選手（ライトウェルター級優勝）に敗れた。試合後、松浦選手は「気持ちが強くて前に前にくるのでやりにくかった。普段はいい人だけど、試合中は恐かった」と苦笑い。

　李選手は「全国で１勝することの重みを感じた。いろいろ勉強になった」と語った。（文＝李泰鎬記者）

［朝鮮新報 2004.8.5］