〈2004年アテネオリンピック〉 深まる北南スポーツ交流 |
既報のように、13日に開幕したアテネオリンピックで北南の選手は統一旗を先頭に共同入場を果たした。北南の選手が国際大会で共同入場するのは、00年シドニーオリンピックを皮切りに、02年の釜山アジア大会、同年の青森冬季オリンピック、03年の大邱ユニバーシアードにつぎ5回目となる。また、今回のオリンピックではこれまで以上に北南間の交流が活発だ。次回の08年北京オリンピックでの統一チーム実現が現実味を帯びてきている。 「統一チームへと」 12日、アテネ市内にあるガラツィホールで、オリンピック史上初となる卓球北南合同練習が行われた。 練習に先立ち、北のキム・ヒョンヒ選手と南のヒョン・ジョンファコーチは、「ヒョンヒ、元気だった?」「ジョンファ姉さん、お久しぶりです」と懐かしそうにあいさつを交わした。 この日の合同練習には、91年千葉で行われた世界選手権に北南統一チームの一員として出場した北のキム・ユンミ選手や南のキム・テクスコーチ、リ・チョルスン選手らも参加し、旧交を温め合った。 ヒョンコーチは、「今回の合同練習が北京オリンピックでの統一チーム結成の土台になれば」と話した。キムコーチも、「(91年の)統一チームの選手たちは、45日間の合宿を通じて情を交わしあい、涙を流しながら別れを惜しんだ。 今回の練習が一過性のものではなく、来年の世界選手権と北京オリンピックにまでつながれば」と語った。 この合同練習は、11日に行われた北南のオリンピック委員長と選手団長の会合の際に合意したもの。同日行われた記者会見に臨んだ南のシン・バクチェ選手団長は、「(合同練習を)一番早くできる種目が卓球だった。今後もできる種目を探していく」と語った。 また、「北京での統一チーム結成に先立ち、種目ごとの世界選手権に統一チームで出場する案も論議する」(シン団長)予定で、「統一チームに関してはまだ本格的に論議されていないが、(会合が)うまく進んでいるので、大会期間中にある程度の進展はあるだろう」(南のリ・ヨンテク・オリンピック委員長)とのことだ。 「胸がいっぱい」 前回に続き今回も共同入場した北南の選手たちは、7万5千人の観衆に一つの民族であることをアピールするとともに、自らも統一を実感していた。 「一言で胸がいっぱい。北の旗手を務めた方が、『何の種目に出るのか、戦績は?』などといろいろ聞きながらリラックスさせてくれた。旗手を努めたことをとても光栄に思う」 南の旗手を努めた女子バレーのク・ミンジョン選手は、興奮を抑えきれない様子でこう語った。 シン団長も、「南北の共同入場は感激そのものだった。リ・ドンホ(北側)団長とも心が通じたし、すべてが順調に行っている。合同練習もうまくいったので、今後もリ団長と協力し、一つでも多くのメダルを獲得したい」と抱負を語った。 一方、今回の共同入場では北南のオリンピック委員長も史上初めて参加。北のムン・ジェドク委員長と南のリ委員長は、北京での統一チーム実現を示すかのように、取り合った手を高くかざしながら入場した。 互いに応援 北南の選手と応援団は、健闘を称えあいながら温かい声援を送っている。 北の男子体操選手らは17日、団体決勝に駒を進めた南の体操選手らを応援した。北のキム・ヒョンイル、リ・ジョンソン選手は、南の選手らに声援を送りながら、「南の選手はすべての種目をそつなくこなす」と話した。 また、惜しくも金メダルを逃した柔道のケ・スニ選手は、「北と南が一つになることはわたしたち民族の熱望であり、いつかは統一して一つになる。そんな気持ちで声援を送ってくれた同胞たちをありがたく思う」と南の応援団に感謝した。 [朝鮮新報 2004.8.20] |