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〈在日朝鮮学生中央体育大会〉 インターハイ出場7人含む56選手が熱戦繰り広げたボクシング

フライ級決勝戦。大会史上初めて神戸朝高選手同士の対戦となった

 決勝戦の試合開始5分前が合図されると、会場は一瞬にして緊張に包まれた。

 1日から3日まで朝鮮大学校体育館で行われたボクシング競技。東京、大阪、神戸、広島、九州の5校から、インターハイ(全国高等学校総合体育大会、7月29日〜8月3日)出場者7人を含む56人の選手が参加した。

 8階級に分けて争われた競技でがぜん注目を集めたのは、インターハイと春の全国選抜大会を制したウェルター級、朴忠南選手(大阪朝高)だった。順当に決勝戦に駒を進めた朴選手は、東京朝高の「将秀選手をRSC(レフリーストップコンテスト)で破り優勝。貫禄を見せつけた。

 また、インターハイミドル級3位の愼泰徹選手(東京朝高)も、大阪朝高の尹善猶選手を危なげなく判定で下し優勝した。

 大阪朝高は、今大会で3階級を制し、団体優勝した。ボクシング競技審判長を務めた在日本朝鮮人ボクシング協会の朴郷丘会長は、今回の競技結果について「インターハイ学校対抗団体部門で3位に輝いた勢いにのる大阪の優勝は順当」としながらも、全般的には各校の実力は拮抗していると強調した。

 実際、東京も3階級を制し、神戸、九州もそれぞれ1人ずつ優勝した。

 一方、今まで必ずと言っていいくらい決勝戦には東京、大阪の選手が進出していたが、今回、フライ級では大会史上初となる神戸同士の決勝戦となった。

 朴審判長は、現在、大阪と東京に神戸が一歩ずつ近づいている構図だと説明しながら、「広島も飛躍的に水準が上がってきている。互いに競い合うことで朝高の水準がさらに向上すれば」と語った。

 大会期間中、会場には大きな声援と拍手が鳴りやまず、選手らは喜びと悔しさの涙を流した。大会にかける選手たちの思いが伝わってきた。

 朝高生が「全国大会」に出場できなかった時代、選手らにとってこの大会が大きな目標だったが、今もそれには変わりない。

 朴忠南選手は、「いつもどおり自分のボクシングをすることに徹した。優勝できてとてもうれしい」と感想を述べながら、大学に進学し、ボクシングで活躍することを誓った。

 競技終了後、東京朝高ボクシング部後援会の主催で大会役員、選手らが一同に会し、焼肉パーティーが開かれた。競技中の緊張は去り、各校の選手らが楽しく焼肉をほおばっていた。

 姜容徳副会長は選手らに、「今日は戦いの相手だが、ともにボクシングに励み全国に朝高の名をはせる成果をもってまた来年会いましょう」と呼びかけた。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2004.9.8]