アジア地区1次予選第5組第5戦、イエメンに2−1で勝利、李漢宰選手が先制点、安英学選手も見事なアシスト |
【平壌発=姜鐘錫、姜イルク記者】13日、平壌の羊角島サッカー競技場で行われた2006年にドイツで行われる世界サッカー選手権大会(W杯)アジア地区1次予選の第5戦。朝鮮がイエメンに2−1で勝利した。同日、朝鮮が属する1次予選5組のアラブ首長国連邦(以下UAE)がタイに敗れたため、朝鮮は残り試合の勝敗に関係なくアジア地区最終予選進出を決めた。 混沌とした第5組
最終予選出場権が与えられるのは8チーム。すなわち、8つの組に分けて行われている1次予選各組の1位チームだけが最終予選に進出できる。 5組に属した朝鮮は、UAE、イエメン、タイの計4チームで最終予選出場権獲得を争っていた。 各チームがホームとアウェーで1試合ずつ、計6試合戦うのだが、4戦を消化した時点で朝鮮は2勝2分。かろうじてトップを走っていた。UAEは2勝1分1敗、イエメンは1勝1分2敗、タイは1勝3敗だった。残り2試合の結果によっては下位2チームにも十分に「奇跡」が起こりうる混沌とした状態だった。それだけに、この第5戦は各チームにとって大切な試合となっていた。 在日選手が大活躍 この大切な試合で先制ゴールを決めたのは、在日同胞の李漢宰選手(サンフレッチェ広島)だった。競技開始1分、右からのセンターリングをゴール右隅にヘッドで押し込んだ。
朝鮮は、イエメンとの第1戦では1−1で引き分けている。今回の試合は終始、朝鮮が押し気味に運んだ。シュート数は、朝鮮21に対し、イエメンは7。 しかし、先制ゴール後はチャンスをものにできずにいた。 このいやな流れを断ち切るのに貢献したのがまたも在日同胞選手だった。 この試合には在日同胞選手2人が先発出場した。もう一人は、9月8日のタイ戦で2得点を挙げた安英学選手(アルビレックス新潟)。後半26分、ゴール前に走っていく10番ホン・ヨンジョ選手に送った正確なパスがアシストとなった。 後半30分に1点を返されたが、結局2−1で勝利を収めた。 後半終了のホイッスルが鳴り響くと同時に、観客席からは大きな声援と拍手がわき起こった。 李漢宰選手は、「大事な1戦に選ばれ、また、結果を残せてうれしい」。 安英学選手は、勝利に満足しながらも、「朝鮮選手一人ひとりの技術がとても高い。次回も出場、活躍できるようにしたい」と気を引き締めていた。 「サッカー強国」復活へ 朝鮮でサッカーは、昔から最も人気の高いスポーツのひとつとなっている。1966年W杯イングランド大会で強豪イタリアを破ってベスト8に輝くなど、「サッカー強国」として名を馳せた。90年以降の成績は振るわないが、最近、巻き返しをはかり奮闘している。 99年からサッカー指導者育成事業に本格着手し、その一環として今年の8月には平壌で初めてアジアサッカー連盟(AFC)A級監督講習を行った。海外のプロチームに選手らを派遣する計画も浮上している。 また国内では、数多くの体育選手団によるリーグ戦が活発に行われ、レベルアップを図っている。10月からは新たにリーグ戦が始まった。 2002年W杯韓日大会ベスト4の南朝鮮と北南統一サッカー大会(同年9月)で互角に戦った男子サッカーチームは、今回も2次予選突破という実績を残し、自信を深めているようだ。 アジア地区に与えられたW杯出場枠は4.5。この出場権をめぐって来年2月からサウジアラビア、日本など8チームで最終予選を戦うことになる。 イエメン戦終了後、大勢の関係者と握手を交わしていたユン・ジョンス監督は、「人民の期待は大きい。その期待に応えていきたい」と語った。 [朝鮮新報 2004.10.19] |