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山で元気!−雪彦山(兵庫県、915m)

頂上で新しく作った旗を広げて喜ぶ会員一同

 超大型台風28号襲来の被害の大きさに耳目を奪われていた7日。京都「山遊会」一行11人は、名神・中国道をひた走り雪彦山に向かった。登山口から見る雪彦山は祖国の金剛山を彷彿させる、岩峰群がそそり立ち、さすが関西指折りのロックゲレンデ、すばらしい山容を誇っている。最初から尾根路を急登する。まもなく、不行岳、地蔵岳の岩壁を眺められる展望岩に着きほっとする。

 勾配のきつい山道のあちこちに、樹齢数百年の大木が倒れ、山道に大きな穴があいている。この惨状を目の当たりにし、28号台風の被害の深刻さを実感する。ピッチを上げ、高さ30メートル、ひさしが4メートルもある巨大な岩盤の出雲岩の下にたどり着く。岩壁のあちこちにハーケンが打ち込まれている。

 ここは関西随一のロッククライミングの練習場になっている。この岩の迂回路になっている裏側には鎖が張られた登山道・岩壁の裂け目を登る。リーダーの大声が響く。「ここからは3点確保の登りになる。自己責任・緊張して登ること」。久しぶりに聞く懐かしい登山用語だ。隊列を組む先行男性は女性の一挙一動に檄を飛ばす。「その岩の出っ張りには左足を乗せる、右足は反対側、ぐっと伸び上がり、両手でこの木の根をつかみ、よじ登れ!」

 緊張の90分、頂上にたどり着く。

 360度の展望、岩、岩が目の前に迫る素晴らしい展望。この山の頂上らしく、岩場の狭い場所で昼食。行程がきつかっただけに昼食がおいしい、楽しい会話が弾む。新しく作った登山旗を広げ記念撮影。さあ、出発だ! 下りもきつい。腹ばいになって降りるガレ場があり、虹の滝の河原に着く。谷川の清水で汗をぬぐう。かえでの見事な紅葉、広葉樹の黄色。大天上岳の岩壁をロッククライミングしているクライマーが岩壁にへばりついている。

 ここから駐車場までは30分の距離だ。緊張から開放されたのか皆饒舌になっていた。(11月7日、留学同京都OB登山クラブ「山遊会」幹事 金相煥)

 【コースとタイム】登山口〜出雲岩〜大天上岳〜新下山道分岐〜出会〜登山口、8キロ、4時間30分。

[朝鮮新報 2004.11.26]