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暑い。30、33、35度と連日の猛暑。梅雨も明けていないのに、すでに夏本番と言った感じだ。これで梅雨が明けたらどうなってしまうのだろう。しかし、本来夏は暑いもの。だからこそ冷たいカキ氷やビールがいっそうおいしく感じられる ▼とはいえ、近年は部屋の中に入りさえすればクーラーががんがんきいていて、夏なのか何なのかわからなくなる。クーラーの外気によって起きるヒートアイランド現象によって、外はますます暑くなる。クーラーの温度はますます下がる。悪循環の繰り返しだ。クーラーにあたり過ぎて暑さに耐えられない身体になっていく ▼まさにこれは一種の「現代病」ではないか、と眠れない夜を過ごしながらボーっとした頭で考えた。冷房設備が今ほど発達していない時代は、これほど暑さを感じずにすんだ。心地よい汗を流しながら働いた後は、デパートの屋上のビアガーデンで枝豆を肴にジョッキを手に乾杯。これこそが夏の醍醐味だろう ▼考えてみれば、人間は便利さを追求するあまり、古き良きこともどんどん置き忘れていってしまっているのではないか。季節感もその一つ。昼間の暑さも過ぎ、涼しい風が吹く夕方の縁側で近所の人たちが語り合う。子どもたちが悪さをすれば叱る大人が必ずいて、そんな中で子どもたちは事の善悪を覚えていった ▼昨今起きているさまざまな事件の背景にも、そうしたことが見え隠れする。人間は何か大切なものを置き忘れている気がしてならない。残すべきものと捨てるべきもの。生きていくうえで永遠のテーマかもしれない。(聖) [朝鮮新報 2004.7.8] |