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京都エルファ 子育て支援センター6日にオープン 豊かな心の育成を

共同作業所もすでに

 NPO法人京都コリアンセンターエルファが運営するエルファこどもひろば「アンニョン」が6日にオープンする。放課後や休校日のこどもたちの安全な居場所として、勉強から遊び、異文化との触れ合いの場を提供する。昨年12月に竣工したエルファセンター(京都市南区)内で運営される。センターには障害者の自立支援のための共同作業所が設置されており、配食サービスや、すでにオープンしたカフェの営業をともに行う。

 1999年11月に居宅サービス事業所を設立したエルファ。同胞ヘルパーの養成と訪問介護を実施し、2000年10月に特定非営利活動法人(NPO)の認可を受けた。以降、同胞高齢者、障害者の生活支援と文化交流を行ってきた。

 昨年12月に竣工したエルファセンター1階の共同作業所には、障害者のための作業スペースが設置されており、エルファカフェも運営されている。2階の子育て支援センターには、子どもたちの保育や各種講座などの運営のためのフリースペースが設けられている。

日本社会でも期待

すでにオープンしたエルファカフェ

 南区在住の在日外国人のうち同胞の占める割合は91%。東九条にいたっては97%だ。京都府知事、京都市長らも常に関心を寄せるなど、エルファに対する期待は同胞だけでなく日本社会でも高い。

 「アンニョン」での子育て支援は、文部科学省の委託事業となっている。▼両親が共働きの子どもの安全な居場所の提供▼仲間とのさまざまな遊びや体験を通じた豊かな心の育成▼異文化との触れ合い−を目指す。

センター2階のフリースペース

 認可保育施設とは異なり、年齢や国籍、身体機能などに制限はない。さまざまな境遇の子どもたちが同じ場で生活し、高齢者や障害者、外国人と交流することが、豊かな心を育むことにつながる。

 利用予定者の中には同胞が多い。子育て支援を担当する゙重鉉さんは、多文化との触れ合いがアイデンティティーの養成に適していると語る。

 「学校で経験できないことを体験し、外国人と触れ合うことで民族性を養成するサポート的な役割を果たしたい。子どもたちが民族の誇りを持ってくれるようになれば」(゙さん)

 また、子育てで悩むオモニたちの交流の場にもなるという。「アンニョン」での交流が朝鮮学校の支援につながればと関係者は語る。

モデルケースに

 一方、共同作業所では障害者の自立支援を目指す。配食サービスとカフェの営業などに障害者たちが加わり、ともに働くことになる。

 子どもが障害を持っている親たちの一番の悩みは「子どもの自立」。エルファの活動を通じて感じたと関係者は語る。

 事務局担当の南c賢さんは「一世や障害者のために何かしてあげたいと思っていたのに、逆に学ぶことの方が多い」と語る。

 福祉団体や日本人らと交流する中で、「同胞のためになることが何かがわかる」。

 同胞高齢者たちは日本の施設では、言葉の壁や文化の違いにとまどう。障害者や子どもたちは、アイデンティティーを十分に育むことができない。

 そんな行政ができないこと、「制度からこぼれるところ」を支援していきたいと南さんは語る。

 関係者らは「いろんな人が情報を提供し支援してくれる。モデルケースになれるよう必ず成功させたい」と意気込んでいる。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2005.4.2]