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ハッキョ存続へ「身近な事から」

 北大阪朝鮮初中級学校の入園、入学式の取材に行った。式に参加する園児と生徒らのほのぼのとした姿を見ながら、これからのウリハッキョのあり方や存続について考えた。

 今年、同校に新たに入園した子どもは16人。ここ数年、同校の生徒数は平均で10人ほど減っていた。それだけに、この数字で地域の同胞たちがどれほど喜んだことだろう。初級部は12人、中級部は22人が入学式を迎えた。

 同胞らと出会うと行く先々で民族教育の統廃合の話をよく聞く。民族教育現場の厳しさは承知の通りで、全国的にも変わりないのが現実だ。去年の4月から滋賀初中の中級部が京都中高へ。今年の4月から川崎初中の中級部が神奈川初中高と統合し、同月、舞鶴初中は準正規教育の形を取る事になった。

 大阪府下の中級部を将来、2校か1校にするとの話は3年ほど前から持ち上がっているという。北大阪初中では、生徒数の激減を食い止めて学校を存続させようと、教員、教育会、学父母たちが一丸となって動き始め、協議会を立ち上げた。

 「同胞コミュニティーの存続を」「子どもたちの未来のために今がんばろう」−。そんな切実な思いを胸に、北大阪初中の学父母らは対象となる家々を熱心に訪ねた。現在、同校協議会では、一口千円愛校運動、卒業生の連携強化のための同窓会を立ち上げるなどして必死に活動している。

 「人がいなくなると学校がなくなる。同時に同胞コミュニティーがなくなるのも目に見えている。学校存続の道をしっかり考えないと」(同校協議会会長)

 民族学校存続、発展へのキーワードと方法論が、現場サイドに隠れている。同胞社会全体がそれに目を向けて動く時がもう来ている。実家に帰ると大阪の母校から一口千円運動協力のための便りが届いていた。「身近な事からしっかり始めよう」。(c)

[朝鮮新報 2005.4.5]