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千葉 幼児教室「ヒャンア」開校 子どもたちに民族心を

 「幸せの種を植えます」(パンフレット)。千葉朝鮮初中級学校の場を借りて学齢前の子どもたちを対象とした幼児教室「HYANG.A」(ヒャンア)が16日に開校した。立ち上げたのは千葉のオモニたちで、幼稚園の形態をとる月1回の本格的な幼児教室だ。

「ウリ」の役割

グループ別にパズルゲーム

 「目、耳、心のドアをいっぱい広げること。今日はそうやって、いっぱい考えよう」。会場いっぱいに講師の声が響き渡る。

 教室では、モノマネ大会、グループ別パズル、クイズ等のゲームを楽しんだあと、誕生日を迎えた幼児をみんなで祝った。カリキュラムは子どもたちが楽しく遊びながら、同時にウリマルも学べる内容になっている。

 「ヒァンアの『ア』という字には幼児の『児』、そして新しい『芽』を育むという私たちの希望が込められています」。同教室長の池登淑さん(48)は、教室開校の動機についてこう語る。「広い千葉県に一つしかないウリハッキョ、民族教育が、幼児を持つ若い同胞たちにとってより身近な存在として感じてもらえるマダン(場)が必要だった」。だからこそ、そうしたマダンを作る必要性をみなが感じていたという。

4年間のプロセス

子どもたちを見守る父母ら

 今回、同教室を立ち上げるにあたっては、オモニたちによる4年間におよぶ論議と準備期間があった。

 きっかけは、2001年9月9日に開催されたイベント「みんな集まれ いち、に、さん!」だ。「同胞社会の存在を若いオモニと子どもたちにアピールしたい」(金明珠実行委員長)との思いから20、30代の女性20人が中心となって5カ月かけて準備した。

 このイベントを成功させたことが自信となって、「ヒャンア」立ち上げへとつながっていく。

 金明珠さん(40)は今回、「ヒャンア」の副室長兼事務局として奮闘する。

 「この4年間、語りつくせないさまざまな出来事があった。私たちが子どもたちのために、そして在日同胞のためにやれることは何か、という答えが、今日のこのヒャンア開校なんです」と語る。教室作りのために費やされたオモニたちの努力は計りしれなかったという。

 8カ月の赤ちゃんがはい回り、2歳児たちが走り回る中、真剣に討議し、作業を進めてきた。また学父母たちは子どもと一緒に9時に登校したり、放課後や春休み期間も夜遅くまで作業に励んだ。

 もちろん、たくさんの同胞が陰で支えている。総聯千葉県本部、青商会、朝青、同校卒業生などさまざまな同胞たちの協力があった。幼児たちの遊び着は同胞たちの手作りで、教室のペンキ塗りは朝青員らが担当した。

「心」を育てる

 この日、「ヒャンア」に入校した姜悠杏ちゃん(5)のオモニ鄭琴麗さん(34)は、「子どもをどう育てるかは最大のテーマ。ヒャンアに子どもを送る過程で自分たちに何ができるかを考えていきたい」という。

 講師を務める金博美さん(40)は、「子どもたちの『心』を育てることに手を抜いてはいけない。子どもが行ったプロセスを、評価するのではなく共有してあげて」と強調した。

 同教室の開校は、女性同盟の中心事業として推進されてきた。これからは、千葉の同胞社会を活性化させる一つの大きな要素になると関係者らは熱い視線を注いでいる。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2005.4.23]